商談でする話の中身ががらっと変わった

 伊藤忠食品がデジタルサイネージの提案を加速する。店頭へのサイネージ導入は今期(2025年3月期)、大台の1万台を超える見込みだ。問屋の力をデジタルで駆動させ、メーカー・小売りとの取り組みを深化。消費者に向けては価値ある商品の訴求を一段強めていく。

「広告収入で儲けることが目的ではない。人と機能をきちっとセットにしてビジネスに仕立てていく」。岡本均社長が語るサイネージの展開ビジョンだ。伊藤忠食品が手掛けるサイネージの強みは、ひとえに卸の知見・MD力に基づく提案力にある。例えば、主力コンテンツのレシピ動画「デリッシュキッチン」では、メーカーと連携した動画を配信するとともに店頭の作り込みに注力。献立に必要な食材を揃えたり、新しい食べ合わせを提案したり。時には部門横断のクロスMDを実施することもある。実際、こうした取り組みが売り場への誘客、購買喚起に効果を発揮。目下、サイネージの取り組み企業は着々と増えているという。

「デリッシュキッチン」のレシピ提案と連動した売り場(7月4日神戸展示会にて)

この記事の購読は有料購読会員に限定されています。
まだ会員登録がお済みでない方はこちらから登録ください。
有料購読申込

すでに会員の方はこちらから

特集一覧