卸のMD力とデジタルツールの合わせ技が威力を発揮

「訴求した商品のPI値(購買指数)がはっきり上がる効果が出ている」。岡本均社長が自信を示すのが、目下伊藤忠食品が提案を強めるデジタルサイネージを使った販促支援だ。サイネージは2023年3月期で全国62チェーン、約1700店(約6000台)まで導入が拡大。今期から始まる新中期3カ年経営計画「トランスフォーム2025」でも重点分野の筆頭に掲げ、今後はいよいよ本格的な購買データの収集や分析にも踏み込んでいく考えだ。

 伊藤忠食品がサイネージの提案を始めたのは17年のことだ。店舗の売り場情報・特売情報などと絡めてNBメーカーの商品広告を放映するモデルで、卸としては先駆け的な展開だった。19年、料理動画メディア「デリッシュキッチン」を運営するエブリーとの資本業務提携を経て、取り組みが深化。売り場で興味を引くレシピ提案などのコンテンツを織り込みながら、来店客の購買意欲を高めている。

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