セブン&アイ・ホールディングス(HD)は8月6日、「セブンイレブンの変革」と題した中期戦略を発表した。

 2030年度の数値目標として営業収益11.3兆円(24年度10兆円、ヨークHDとセブン銀行は持分法適用想定)、営業総利益3.4兆円(同2.7兆円)、EBITDA1.3兆円(同0.9兆円)を掲げた。経営推進にあたっては、ワンチームであることを強調。スティーブン・ヘイズ・デイカス社長(写真)、伊藤順朗会長、木村成樹副社長、丸山好道・最高財務責任者、脇田珠樹・最高戦略責任者の5人で「毎朝会議を行っている」(デイカス社長)と明かした。

 一方で、新体制による中期戦略の目新しい施策はなく、30年度までに国内では1000店の純増、5000店舗を食品強化型店舗にすること、配達事業「7NOW」の売り上げを24年度の10倍の1200億円にすること、北米では1300店舗の純増、レストラン併設型を1100店舗新設するなど、従来の目標をなぞった。新たな取り組みは米国ガソリン事業の収益最大化くらいのものだった。デイカス社長に特に期待されている海外展開や、30年度グループ売上高30兆円の目標にも言及しなかった。

 一部アナリストの間で疑問符が付いているSEIの上場(IPO)については、「流出利益を最小限に抑えつつ、SEI、セブン&アイHD両方の価値を上げていきたい」(丸山氏)として、改めて実施する方針であることを明らかにした。