小売業の課題を掘り起こし解決策の提案を強化

「インフレ下では、コスト削減にだけ取り組んでも限界がある。営業力を強化して粗利を確保しながら生産性を向上させ、コストコントロールをすることが重要になる」

 加藤産業の加藤和弥社長は、昨今の経営環境を鑑み、こう強調する。

 同社の2023年9月期決算は、営業収益が前期比6.2%増の1兆993億円、営業利益が同24.7%増の167億円の増収増益で着地。今年度上期も、営業収益が前年同期比7.2%増の5838億円、営業利益が同7.5%増の95億円と、増収増益基調を維持している。ただ、加藤社長は、「昨年度と今年度では、状況が変わりつつある」と、気を引き締める。「昨年は、価格改定の影響で節約志向が強まり、物量が減った分、運送費などのコストも下がり、それが利益の増加につながった。今年度も節約志向は続いているが、大きな値上げに一巡感が出ているうえに、人件費やエネルギーコストなどの上昇で、再びコストアップ基調に転じる可能性が高い」と指摘。この状況が続けば、利益が圧迫されるのは必至と見ているのだ。そこで同社では、トップラインの伸長と生産性向上を両輪で進めることに力を入れている。

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