SMの店づくりで得た確かな手応え
「売上高1兆円を目指す」。5月14日に開かれたバローホールディングス(HD)決算説明会で小池孝幸社長は、こう高らかに宣言した。2025年3月期を初年度とする中期3カ年計画の最終目標。初年度の連結決算の営業収益は30期連続の増収で、8544億3500万円(前期比105.8%)の実績が言わしめるもの。だが背景には二つの必然がある。
バロー本部は岐阜県多治見市。地方にあって何もない。その成長は多彩な事業を営むことで築かれた。スーパーマーケット(SM)、ドラッグストア、ホームセンター、ペットショップ、流通関連事業では、物流、製造も手掛けている。結果、製造小売りという特異な事業体を構成。成長継続には、高齢化、過疎化が進む地方都市から肥沃な市場への進出は必至となった。すでに関西圏に駒を進め、SMを核に関西で470億円(25年3月期)の売上高を1000億円に。今期は関東に進出、今秋横浜に1号店がオープンの予定だが、これを皮切りに関東圏で500億円を稼ぎ出す計画を明らかにしている。