職場受け取りで開いた配送の新境地

「事業所一軒一軒に足を運び開拓してきた」。立ち上がりの苦労話をさらりとこう語るのは、バローホールディングス(HD)取締役流通技術本部長兼システム部長の小池孝幸氏だ。2019年7月にスタートしたバローHDのネットスーパーは、個配ではなく、主婦が働く工場や、預けた子どもを引き取りに立ち寄る保育園。その他に病院、介護施設、飲食を伴う喫茶店などの事業所対象の配送事業アイノマ(ainoma)を開発、普及に努めてきた。

 アイノマ開発に行き着いたのは、18年から始めた下調べでわかった「ネットスーパーの需要は旺盛だが、ラストワンマイルの配送コストを消費者はサービスと認識しているという課題」だった。小池取締役は、「個配ではそのコストは吸収できない。だが事業所で働いている方々がわたしどもお店の商品をEC(アプリ)で発注していただいて、まとめてお届けするようにすれば配送効率がよくなり、コストを吸収できると考えたのです」と当時の経緯を振り返る。

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