暑熱の国で4温度帯の物流網を構築
ASEANにおける低温物流の先駆け的存在と言っていいだろう。国分グループ本社の海外統括部が管轄する海外事業は、調味料などを輸出する貿易事業、中国での食品・酒類の卸売り事業、そしてASEANでもこの食品卸売り事業とともに、ベトナム、シンガポール、マレーシア、ミャンマーで、4温度帯の低温物流体制を構築。「暑い国」でのコールドチェーン確立は、ASEAN各国の生活様式の向上とともに、差別性と競争力を持つ大きなビジネスへと育ちつつある。
国分がASEANで最初に低温の物流センターを構築したのはミャンマー。2014年に合弁会社を設立、15年12月には物流センターが稼働している。林恒喜取締役常務執行役員(経営統括本部副本部長兼海外統括部長兼戦略推進室長)は、当時を「(低温物流センターは)ミャンマーにはほとんどなかった。ベトナムも少なかったと記憶している。東南アジアの消費社会はまだまだ未成熟だった」と振り返る。