サイゼリヤ/安定の安さを武器に景気低迷の中国で存在感を発揮

 コロナ禍でトリドールやワタミが撤退した中国市場で着実に実績を上げているのがサイゼリヤだ。同社が海外に進出したのは2003年。中国・上海に子会社を立ち上げて事業を開始し、その後、北京・広州にも子会社を設立して店舗数を拡大。さらに展開エリアも広げ、前期(2023年8月期)末時点で、中国、香港、台湾、シンガポールの中華圏に485店舗を展開している。

 日本の外食企業の多くが、寿司やうどん、ラーメンなど“日本の食”で海外進出を果たす中、サイゼリヤは日本と同じイタリア料理店で進出。さらに日本同様、誰もが安心して楽しめる圧倒的な安さを訴求した結果、若い世代を中心に支持を集めた。同店の人気ぶりに模倣店を出店する現地企業も相次いだが、そうしたところは黒字化までの体力が持たず、結果、サイゼリヤをしのぐ企業の登場には至らなかった。

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