丸久が四つの新店、他2社は改装に終始
リテールパートナーズの2025年2月期決算は、営業収益2667億4100万円(前期比5.8%増)、経常利益79億9900万円(同3.5%増)、当期純利益52億2500万円(同10.8%増)と2期連続で過去最高を更新した。2023年3月に丸久が子会社化したハツトリー6店舗の通期寄与と、丸久が山口・島根両県に出店した新店4店、値上げによる既存店売上高増などによる。ただし新店は丸久のみで、マルキョウとマルミヤストアは改装に終始。両社とも福岡県で1店舗ずつ閉鎖したことで、グループのスポーツクラブ事業を除く総店舗数は274となった。
丸久の出店内訳をみるとSM業態はアルク長門店(山口県長門市)のみ。商圏内での出店地確保が難しくなっている。こうした中で2023年2月に島根県津和野町と地域活性化に関する協定を締結。2024年3月に公設の複合施設の運営を受託した。その核店舗として「まごころ市場にちはら」を開業。人口約6000人の過疎化・高齢化が深刻なエリアに売り場面積262坪と小粒ながら生鮮から加工食品までを揃えたSM業態で出店した。また移動スーパーとくし丸を投入して「見守り」を兼ねた定期訪問販売も開始している。立地は地元で唯一のスーパーが撤退した地域で、公営施設への入居により初期投資を抑え、運営受託によりランニングコストも抑制した。基盤の中国地区には活性化が課題の地域が少なくないだけに、新たな出店スタイル創出の可能性を示した。