訪日客、食事代替が菓子売り上げを押し上げた

 衝動買いの要素が強い菓子の売り上げを引き上げる。菓子卸最大手山星屋の経営戦略は、その提案力をより確かなものにすることにある。ソリューション機能に磨きをかけ、オリジナルブランド、エクスクルーシブ(留め型商品)の開発に力を入れるのはそのため。「売り上げを構成するのは、客数×客単価。だがこれを我々は、客数×一品単価×購買点数にまで落とし込み、購買点数でお客さん(得意先小売業)に貢献していく」。猪忠孝社長は究極の戦略目標をここに置く。

 山星屋の業績は3期連続で増収増益を継続。前期(2025年3月期)は売上高3571億円(前期比6%増)、営業利益49億円(同17%増)の実績を上げた。要因は二つあり、人流拡大と食事代替需要増。人流拡大はインバウンドが売り上げを押し上げた。周知のようにコロナが明け、訪日客は増加の一途。2024年は約3687万人が来日し、72%(観光庁調べ)がお土産などで流通菓子を購入。購入金額は3000億円弱(日刊経済通信社)に上るという。2024年の流通菓子市場規模が3兆円弱(全日本菓子協会)というから、インバウンドはその1割。菓子新市場創出の大きさがわかる。

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