国内外でM&Aを次々敢行、海外事業が10倍超に伸長
旭食品(高知県)、カナカン(石川県)、丸大堀内(青森県)で構成するトモシアホールディングス(HD)がM&Aによる事業拡大に力を入れている。近年、特に目立つのが海外展開の強化だ。昨年7月、旭食品がオーストラリアで寿司ネタや水産加工品の販売を行うザ・フィッシュ・ファクトリー・オーストラリアを買収。旭食品は23年8月にも韓国で寿司ネタや水産加工品の輸入卸を行う韓国築地を買収しており、アジアに続いてオセアニアでも水産物卸事業を展開。目下、グループを挙げて水産専門商社としての競争力を高めている。
トモシアHDの荒木章社長はM&A戦略について「水産物卸を柱とした海外強化は一つの大きなテーマ。日本の人口は減っていくが、世界の人口は増えていく。また、インバウンドで来日する観光客も多いので異国間交流も増す。世界の市場をトータルで見てビジネスチャンスを探っていきたい」と大方針を明かす。事業別売上高で水産事業は約400億円に成長。そのうち約100億円を占める海外はM&Aの効果で前期比10倍以上に伸びた。