メーカー、小売りに深く関わる取り組みが活発化

「売買差益からの脱却」。かねがね言われ続けてきた卸売業のビジネスモデルの転換が、コロナによる生活習慣の変化とコスト圧迫要因目白押しの中で、古くも新しい経営戦略として再び浮上してきた。在宅とリモートワークの定着は、日用品の世界でも消費傾向を激変させた。代表例がマスク着用が常態化し、化粧品が売れなくなり、反面、癒し系の園芸品、ペット関連品がよく売れていることだろう。コスト圧迫要因の筆頭エネルギーコストの上昇は配送費を直撃している。取り扱い商品の引き出しをいかに多く持つか、さらに付加価値商品や新たな事業を創り出さねば、環境変化に押し潰される状況になっている。

 それを象徴するのが、ヘルスケアの取り扱いで一頭地抜く、大木ヘルスケアホールディングス(HD)の前期の業績だ。同社は経常利益で60.8%減の大幅減益に沈んだ。前々期は増収増益、それを支えたのは、コロナ特需。PBの抗ウイルスマスクを筆頭にコロナ関連商品が売れたからだ。松井秀正社長は、「インバウンドと、コロナ両方の特需がはがれているのに、そこに捉われ必要なビジネスの根幹の見直しをしてこなかった」と敗因を分析する。

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