プロジェクト陳列の提案は月間8000件以上

 人流が戻った。東京・銀座の土日の人出はそれを窺わせる。歩行者天国では、外国人観光客の楽しそうな姿も見るようになった。「いいことですね。お客様は買い物をしたい気持ちをずっと抑えてきましたから、リベンジ消費が期待できます」。コスメとコスメグッズの専門卸、井田両国堂の井田隆雄社長は、コロナ禍で抑え込まれた化粧品需要が回復へと明るい兆しが見えてきたと指摘する。その発言には、「見て触って感じることができる」リアル店舗ならではの仕掛けを存分に打ち出すことができるという意気込みにも通じている。

 井田両国堂の得意先は、売上構成比の5割を占めるドラッグストアを主力に、百貨店・バラエティーストアが3割、GMSその他が2割の小売業で構成されている。だが他に、「メイクアップソリューション」「MSスタイル」「アーバンコンフォート」の店名で展開する直営店が24店あり、ここが、井田社長が営業戦略で最も重視する「プロジェクト陳列」と「ショップエクスペリエンス」の実験、検証の場ともなっている。

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