都心回帰とマスク外しでメイクアップが急伸

 人流も、インバウンド需要も徐々に復活、コロナ前の日常に戻りつつある中で、井田両国堂の業績も回復の一途を辿っている。井田隆雄社長は、「コロナが終わって一番大きいのは、都心回帰とマスク外し」と指摘。「メイクアップの伸長が著しい」と破顔する。コロナ下では、アイメイク商材しか売れなかったものが、口紅、チーク、ファンデーションなどが売れるようになってきた。2022年度は、21年度比で4%の伸び。それが今上期(23年5月期)は9.3%の伸長。マスクを外し化粧をして外出という日常生活の定着を裏付ける。

 だが残念なのは、都心回帰の一方今まで良かった郊外が悪くなったこと。そして中国の訪日客が完全には戻っていないことだ。井田両国堂の直営店で中国人客の客単価は日本人客の3、4倍に上る。それが今はまだ倍に留まる。「本当のインバウンドはまだこれから。この間もテレビで中国人へのインタビューを見ていたら、旅行で行きたいところは日本。買いたいものは化粧品だと言っている。中国ではまたコロナが流行ってきましたから、本格的な回復は秋ごろでしょう」と井田社長は期待を寄せる。

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