既存客納得の味と正直コミュニケーション

 カツ丼620円(税別)。スーパーで競合アイテムとなっているカツ丼は、300円を境に攻防。ところがセコマの価格は倍以上。モノみな上がる物価高の中での対応策の結果だが、意外に功を奏している。お店で作る「ホットシェフ」(写真)。ここで生み出される商品は、セコマの差別化商品であり、お客の支持も厚い。カツ丼は年間約700万食も売る人気ナンバーワンの商品だ。だが、目白押しのコストアップ要因に押されて、この人気商品も「最近は毎年値上げをしている感じがする」と赤尾洋昭社長を嘆かせるほど。カツ丼に留まらず昨年は9割を超える商品が値上げを強いられた。値上げは、「量も質も変えない」が大原則。今年は一品、量を減らして値上げする商品が出てきたが、それでも質は落とさない。

 それが「既存のお客様の好みの味になっているのではないか」と赤尾社長は推量する。とくにホットシェフの商品は、出来が悪いとお客のクレームに直結する。ホットシェフ専用のスーパーバイザーがいて、常に品質をチェックするのはそのため。製造工程を簡単にして、仕上げることもできるが、味が変わり、普段食べている人にわかってしまう。味が変わると売り上げは必ず落ちる。

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