大株主への気遣いか配当性向が急上昇

 サンドラッグの大株主である多田家の存在感が増している。それを端的に示すのが、この数年の配当性向の推移だ。2023年3月期を境に、それまでは他の大手ドラッグストア同様20~30%台に留まっていたのが、一気に45.5%まで引き上がり、前期の45.8%を経て、今期の目標は49.9%。最終利益の株主還元比率を示すこの数値は、高ければ高いほど株主にとっては魅力的だが、企業経営にとっては高すぎれば投資余力が削られ、成長のスピードも落ちる。

 この恩恵を最大限に受けるのが、サンドラッグの取締役にも名を連ね、大株主でもある多田家だ。同社の最大株主は多田家の関連会社であるイリュウ商事で37%を保有している。多田家が設立した多田記念財団によれば、9月現在、イリュウ商事の社長はサンドラッグ取締役チェアマンの多田直樹氏。さらに直樹氏は個人でも2.66%、その弟で同じく取締役を務める多田高志氏も1.89%を保有。合わせて40%超を保有していることになる。

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