「心にささる商品(もの)づくり」を商品政策のテーマに掲げ、丸大食品から2024年度秋季新商品16品、リニューアル品33品の計49品を9月から順次発売する。「こだわり(味・素材・製法)」「ゆとり(時短・簡便)」「思いやり(健康、SDGs)」の三つのテーマに沿って商品を開発。
 7月26日に大阪で開催された新商品発表会見で池田知功上席執行役員は、「当社がオフィシャルサポーター(ハム・ソーセージ)契約を結んでいるパリ2024オリンピック大会が開催しました。日本代表選手団やロゴをパッケージで訴求した看板商品『燻製屋』シリーズを中心に『TEAM JAPANパリ2024公式ライセンス商品』の12品は前期比で2ケタ以上の伸びを示しています。このトレンドに乗り、限定商品の拡販に力を入れていきます」と意気込みを語った。

高品質の商品投入により秋冬季のイベント需要を喚起

 ハム・ソーセージカテゴリーでは、限定フレーバーで評価が高かったウインナー「燻製屋」シリーズに、今下期は新フレーバー「燻製屋ウインナー レモン&パセリ」(80g×2袋)を10月から数量限定で新発売する。

 23年のフレーバーウインナー構成比では、約半分がハーブ・スパイス系で圧倒的に人気が高いことから、レモン&パセリのフレーバーの商品化を実現。肉の旨みを引き出した燻製屋の肉を使用し、爽やかなレモンとパセリの風味を効かせた。山本悟司ハムソーマーケティング部長は「クリスマスのイベント時にワインなどのお酒のおつまみとして、最適な大人の味のウインナーで新たな需要を喚起したい」と加工肉売り場での展開拡大に意欲を示した。

 同じく秋冬のボージョレ・ヌーヴォー解禁やクリスマスのイベント時などに合わせた大人のおつまみとして、今秋冬に注力するのが「短冊カット パンチェッタ」(65g)だ。今年5月には「ジャパン・フード・セレクション」で、おしゃれな商品コンセプト、味、デザインが高い評価を受け、グランプリを受賞した。今回のリニューアルでは、その受賞メダルをパッケージに掲載することで品質の高さをアピール。さらに、「そのままのおつまみ」と「パスタのトッピング」の2種類の食べ方の調理シズルとキャッチコピーを新たに掲載することで、パンチェッタの食べ方を大人世代に向けて訴求していく。

左から短冊カット パンチェッタ、燻製屋ウインナー レモン&パセリ

新たな韓国メニューで精肉・加工肉とのクロス販売を拡大

 調理加工部門は、原料価格が高騰している加工肉や精肉の活性化を図るべく韓国メニューの「韓国列伝シリーズ」に力を入れる。従来のシリーズは、キムチを中心に関連販売をしていたが、今回の韓国列伝シリーズは、牛肉や鶏肉など様々な種類の精肉を使ったメニューをクロス販売していくことで売り場を強化していく。

 その中でもストレート鍋つゆ「プデチゲ鍋つゆ」(650g)は、東京・新大久保の有名店オーナーシェフが監修し、自家製辛味調味料の旨辛さに、唐辛子、にんにくの旨みが感じられる豊かな味わいに仕立てた一品。具材として「燻製屋ウインナー」や「味の主演 ボロニアソーセージ」とも相性が良く、これらの加工肉とのクロス販売も打ち出す。また、辛い味が苦手な人でも楽しめる牛肉、牛内臓肉などを煮込んで作るスープ料理「コムタン鍋つゆ」(同)も提案。あっさりとした口当たりで優しい味わい。能勢誠調理加工マーケティング部長は、「牛肉全体で価格が高騰しているため牛すじや牛もつなど、牛内蔵肉を販売強化したいという小売店の声もある。ただ、これらを使ったメニューは限られていることから、今回の『コムタン鍋つゆ』の具材として提案することでメニューの幅を広げたい」と精肉市場拡大に向けた施策を強調した。

「韓国列伝シリーズ」の「プデチゲ鍋つゆ」「コムタン鍋つゆ」(上段)、「サムゲタンの素」「ソルロンタンの素」「ユッケジャンの素」(下段)

 そのほかに、韓国列伝シリーズでは、鶏もも肉と長ねぎを使って作る「サムゲタンの素」、牛こま切れ肉と長ねぎを使って作る「ソルロンタンの素」に加え、新たに牛こま切れ肉と大豆もやし、にらを使って作る「ユッケジャンの素」(各330g)を追加。ユッケジャンの素は、牛肉の旨みとユッケジャンの旨辛さが織りなす旨辛スープ味が特徴。5品のシリーズの一体陳列を提案することで、牛肉の各部位や鶏もも肉全体の売り上げ拡大に貢献する狙いもある。

 丸大食品は原料高騰が続き、販売数拡大がしにくい精肉、加工肉の売り場活性化に向け、今秋季も全力で拡販に努める構えだ。