2180円まで価格を抑え店頭での検査キット市場を生み出す

 遺伝子解析サービスを展開してきたユーグレナが最新のテクノロジーを駆使した生活習慣改善提案への一歩を踏みだした。日本初※となる12項目の栄養状態の検査結果が約2分で即時に確認できる検査キット「栄養コンディションチェッカー」を開発、ドラッグストア中心に9月に発売する。

※12項目が即座にわかる検査キットをドラッグストアにて発売が日本初

栄養コンディションチェッカー

「栄養コンディションチェッカー」の最大特徴は検査がとても簡単なことだ。検査キットに自身が尿をかけ、それをスマホにダウンロードした専用アプリで撮影するだけで尿の状態から検査結果のスコアをすぐに確認できる。これまであった一般的な検査キットとは違い、郵送も不要でアプリにより即時解析が可能なことから、店頭売価は2180円まで価格を抑えた。


3ステップの簡単な自宅の検査で健康状態が即座にわかる

 実際に健康意識の高まりから簡易検査キットサービス市場は、毎年右肩上がりに成長を続けている。2021年の約3000個から27年には21年比で270%増の約1万1300個まで拡大する見込みだ(表1)。それに伴い専用検査キット売り場を設けている店舗やECも増え、多くの簡易検査・分析サービスが参入している。ただ、現状の一般的な検査キットは、配送の時間がかかるうえ、1回の検査は数項目に限っても送料を含み、4000円以上と高額な検査キットが多い。定期的に健康チェックを検査したい人には大きな壁となっている。

 こうした状況下でユーグレナでは、同検査キットで週1回、月1回など定期的に手軽に健康をチェックし、生活習慣を改善できることを訴求。さらにドラッグストアのサプリメント売り場で検査キットの定番棚の設置と、それに関連した栄養素を補うサプリメントなどの拡販を図る狙いだ。

「栄養コンディションチェッカー」は、医師、大学、管理栄養士が監修し、従来医療機関で利用されている検査と比較して平均9割以上の一致率を実現。検査機器の性能が非常に高いことも強みの一つとなる。

 12項目には、女性が意識する「ビタミンC、糖質・脂肪燃焼、マグネシウム、アルコール摂取、塩分・水分、カルシウム、亜鉛、鉄分」など、身体の不調の要因につながる項目、評価軸を揃えた。その検査結果に合わせ管理栄養士のアドバイスやスコアが表示され、現在の健康状態を知ることができる。複数回検査した場合は、グラフにより変化を一目で確認が可能。

 さらに女性の悩みである「冷え、便秘、疲れ」などの不調と関連性の高い情報をアプリと連携したサイトに掲載している。

 ユーグレナサステナブルブランド戦略室の立石雅英氏(冒頭写真右)は「ご自分の美容やダイエットなどにつながる栄養確認だけではなく、塩分調査など様々な利用方法があります。『鉄分』は女性への事前調査から要望が強かったので加えました」と語り、今後は自身の健康に関連した情報がわかる内容をアプリ内の機能でさらに充実させていく予定だ。

管理栄養士による推奨販売を提案

 ユーグレナでは、同検査キットを従来のリテールチャネルにはない新基軸のサービスとして、サプリメント棚に隣接して展開、関連販売の強化を図る。不足した栄養素のサプリメントをドラッグストアの管理栄養士などが推奨販売する手法を提案。そのため従業員向けの勉強会をすでに実施しており、ドラッグストア全体の売り上げ拡大に貢献していく。

 サプリメント売り場の活性化としてサプリ陳列棚用に吊り下げのフックを用意。おしゃれなパッケージには、約2分で検査結果が確認できることを訴求したPOPのシールなどでサプリ売り場でより目立たせることも検討している。

 ユーグレナ流通営業部リテール流通課の北川俊氏(冒頭写真左)は「定期的な検査キットの市場をドラッグストアで作ることができれば、サプリメント棚でのクロスセルが見込めます。さらに検査キットの検査結果を踏まえて、管理栄養士のスキルを生かした食生活の改善や商品の推奨販売が可能となります」とドラッグストア全体での販売効果に言及。続いて、「すでに引き合いが強いことから、今年度は5000~6000店舗へ配荷していきたい」と意気込む。

 今回の検査キット発売を機に、ユーグレナは生活者の健康意識、生活習慣の改善を促し健康寿命の延伸に寄与するとともに、ドラッグストアのサプリメントカテゴリーの一段の活性化に貢献していく構えだ。