大阪の地下鉄とバス停でサイネージ広告を展開

 夏の最需要期に向け、Qvou(キューボー:神戸市)がシリカ水、「のむシリカ」のプロモーションに力を入れている。

 その一つが関西での交通広告だ。4月末から約1年の予定で大阪市内の地下鉄駅構内に広告を展開。東梅田駅やなんば駅など、主要な駅構内の柱周りにはめ込まれた大型サイネージに「のむシリカ」の広告を出稿している。Qvouの担当者によれば、「動画でなく、あえて静止画にすることで目に留まりやすくした」という。薄暗い駅構内に何本も並んだ四角い柱の表面に、白をバックにした紺色の帯の「のむシリカ」のボトルが6分に1回の割合で映し出されるため、必ず目に留まる。しかも、サイネージは柱の2面ないしは4面に設置されているので、全体が見渡せる場所から見ると、駅の構内を「のむシリカ」が埋め尽くしたようになり、見た人に与えるインパクトは絶大だ。

大阪メトロの駅構内のサイネージに6分に1回の割合で「のむシリカ」の画像が表示される

 バス停でも広告を始めた。大阪シティバスのバス停のサイネージに「のむシリカ」の画像を表示するというもの。昨年東京都内で実施し効果があったことから、今年は東京に加え、大阪でも取り組んでいる。こちらも4月から来年3月までの予定で、2週間ごとに場所を変えて広告を掲載するため、大阪市内の広範囲に商品をアピールすることができる。

 Qvouの担当者も、「関西では主要な小売店さんに『のむシリカ』を取り扱っていただいているので、地下鉄の駅やバス停など人が集まるところに広告を出すことでより多くの人に商品を知ってもらい、小売店さんの売り上げ拡大につなげたい」と認知拡大に意欲を示す。

バス停の広告は、2週間に1度場所を変えるので、より広範囲で商品をアピールできる

ドラッグストアショーに出展海外の販路開拓も視野に

 近年、様々なシリカ水が発売されているが、その中でも「のむシリカ」は、「自然由来のシリカの含有量の豊富さ」が際立っている。

 シリカは、身体の組織同士をつなぐ役割を果たすミネラルの一つで、健康維持には1日40mgの摂取が必要と言われている。「のむシリカ」には、これが1L当たり97mg含まれているため、500mLサイズを1日1本飲むだけで十分な量を摂取できる。しかも、高濃度をうたうシリカ水の中には、化学合成したシリカを添加した商品も少なくないが、「のむシリカ」は、霧島連山の麓、宮崎県小林市の水源に幾本もある水脈のうち、1L当たり97mgのシリカを含む1本の水脈からだけ採水することで、天然水に含まれるシリカのみで高濃度を実現しているのだ。さらにマグネシウムやカルシウムなど、シリカ以外のミネラル成分も豊富で、必要な栄養素がバランスよく摂れる。

 このほか、品質管理の面でも信頼性が高い。「のむシリカ」はISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証やJ-FOODSの認証を取得した生産工場で、オートメーションで生産されているため、異物混入のリスクはゼロに近い。しかも、ボトルはUV殺菌と除菌されたクリーンエアで殺菌、天然水も130度で10秒間加熱殺菌後、無菌充填システムでボトリングしているので、菌が繁殖する心配もない。競合商品で異物混入による回収騒ぎがあったが、「のむシリカ」にはそうした心配もない。

 実際、こうした点が評価され、ECでは、シリカ水売り上げナンバーワンの地位を獲得している。その実績を武器に2022年、一般小売店流通での販売を開始。以来、2年半ほどの間に取り扱い企業は、大手総合スーパーから食品スーパー、コンビニ、ドラッグストア、百貨店と様々な業態に広がり、今年に入ってからは電鉄系のスーパーに相次いで採用された。

 Qvouでは、販路をさらに拡大すべく、展示会への出展も増やしている。今年は2月に「スーパーマーケット・トレードショー」に出展したほか、この8月には、日本チェーンドラッグストア協会主催の「ドラッグストアショー」にも出展する。さらに卸の展示会では、この夏、三井物産流通グループ(東京)と加藤産業(兵庫)の展示会に出展を予定している。なお、認知度の高まりとともに、飲食店や温浴施設など、食品卸に口座がない事業者からの引き合いも寄せられていることから、「まとまった量の取引が可能なら、直取引も検討していく」(担当者)方針だ。

 このほか、海外市場の開拓にも乗り出す計画で、6月には「〝日本の食品〟輸出エキスポ」に出展する。コロナ後のインバウンドの復活に加え、円安続きで日本の食品に対する海外からの関心も高まっている。こうしたチャンスを取り込むべく、担当部署の人員も強化しながら国内外の新たな需要の開拓に取り組む構えだ。

国内外の新たな需要を取り込む