スギホールディングスは8月19日、セキ薬品の株式を取得し持分法適用会社とすることを発表した。同日、34.8%を取得する旨の株式譲渡契約を締結。取得価額は159億6300万円にアドバイザリー費用等1億7000万円を合わせた161億3300万円。9月30日までに、さらに14.2%の株式譲渡契約を締結する予定で、合計49.0%を取得する見込み。両社は5年後を目処に2.0%追加取得することにも合意している。実行されればスギHDの持株比率は51.0%となり、セキ薬品を連結子会社化する。

 セキ薬品は埼玉県を中心にドラッグストアおよび調剤薬局を300店舗以上展開している。2025年3月期の業績は売上高1005億円、営業利益31億円の増収減益。スギHDの直近業績と合算すると売上高9785億円となり、マツキヨココカラ&カンパニー(1兆616億円)、コスモス薬品(1兆113億円)に肉薄し、サンドラッグ(8018億円)を引き離すことになる。

 両社は具体的に以下の取り組みを推進し、シナジーを追求することで企業価値の向上を目指すとしている。

(1)DXと接客力の融合による競争力と収益性の向上
スギHDの強みである自社開発アプリや、アプリを活用した販売促進策、セキ薬品の強みであるカウンセリングを通じた高い接客力のノウハウなどを相互に共有することで、顧客接点および基盤を強化し、来店頻度・客単価および収益性のさらなる向上を図る。 

(2)商勢圏の拡充
品揃え・売り場づくり・専門性を生かした接客・カウンセリングなど両社のノウハウを共同活用し、両社の既存店の強化を図ると共に、両社の物件情報やスギHDの得意とする医療連携を共有することで新規出店を加速する。また、特に埼玉県を中心とする北関東エリアでは、すでに強固な地盤を持つセキ薬品ブランドを活用することで、商圏の拡大と地域競争力の向上を推進する。

(3)経営基盤の強化
両社の規模および地域ドミナントを生かし、商品・物流・システムなどの最適化およびコスト構造の改善を図ることで、効率的で持続可能な運営体制を構築する。

(4)人材育成・組織力の強化
両社の人材育成のノウハウを融合し、専門薬剤師の育成を強化することで、かかりつけ医療、高度急性期医療や在宅医療などの強化により地域包括ケアモデルを実現し、地域住民の生活に欠かせないヘルスケアカンパニーを目指す。また、規模の拡大により従業員に多様なキャリアプランを提供し、チャレンジする環境を醸成する。