新しい機能性の追加でラカントユーザー層を拡大

「衛生」「環境」「健康」の向上を企業理念に掲げるサラヤが販売するカロリーゼロ甘味料「ラカントS」のシリーズに新たな機能を加えた機能性表示食品が生まれた。「ラカントS」は、サラヤ独自成分で砂糖の約300倍の甘さがある「高純度羅漢果(ラカンカ)エキス」と、甘味成分の「エリスリトール」を組み合わせたもので、砂糖に置き換えることで簡単にカロリーと有効糖質をカットできる。100%植物由来で安全性が高いことから、もともとの糖尿病患者だけでなく、ダイエットユーザーの若年女性など幅広い層から支持を得ている。

 さらに近年の健康志向の高まりを受け、今年からラカントシリーズのラインアップを拡大。この6月には、従来のラカントユーザーの中でも、一段高い機能を求めるユーザー層や、より健康意識の高いコアユーザーに向け、新機能を追加した機能性表示食品「ラカント アルロースブレンド」(100g)を発売した。

ダブルの機能を追加した機能性表示食品「ラカント アルロースブレンド」 (左からドラッグストア向け、量販店向け)

 商品の開発では、希少糖「アルロース」を採用。アルロースによる「日常生活(安静時や日常活動時)のエネルギー代謝において脂肪の燃焼を高める」「食後血糖値の上昇をおだやかにする」というダブルの機能性であることから、価格帯は100g当たり店頭価格1000円前後という高価格商品である。同社の調査データ(健康食品を年3000円以上購入している315人が対象)では、「アルロース」をすでに知っている健康意識と知識の高い層から高評価を得ていることから、従来のラカントユーザーの上位互換に加え、通常の甘味料としてではなく、新たな価値を提供する機能性成分としてコミュニケーションすることで新規購買層の獲得を目指す。それらを踏まえ、サラヤではドラッグストアの健康食品売り場を中心に提案を強化していく。

「アルロース」は機能性成分としてだけではなく、砂糖に似た特性があることも強みだ。山田哲取締役コンシューマー事業本部本部長は「従来の『ラカントS』では、課題であった溶解性やカラメル化の点がクリアされ、砂糖と同様に利用できます。また成分比率を調整し、砂糖と類似した『先味』『中味』『後味』のバランスを実現することで味質も砂糖に近づけることに成功しました。非常に高い味の評価も獲得しています。当社では、様々な料理などに使える砂糖の代替甘味料としての『ラカントS』に加え、1日6gの使用で効果が期待できるプラスアルファの健康機能成分として『アルロースブレンド』を使っていただきたい」と商品価値を説明。「ラカントS」と「アルロースブレンド」それぞれの特長に合わせた訴求ですみ分け、カニバリを回避しながら2種の同時購買も目指していく。

機能性関与成分をトップボード前面に打ち出す

付加価値商品を強化し幅広い層を取り込む

「アルロースブレンド」は、これまでのラカントユーザーの上位互換と新規顧客層の獲得から、売り場ではラカントブランド全体での販促を展開。今年3月に発売したラカントブランド初の機能性表示食品である腸活シロップ「ラカント フローラビオ」(265g)も同様に提案している。こちらは話題の機能性関与成分の「イヌリン」(食物繊維)が腸内のビフィズス菌を増やし、腸内フローラを良好にする「整腸」作用と、「食後の血糖値上昇抑制」の二つの機能を持つ商品だ。カロリーゼロの甘味料としての「ラカントS」は赤色。ダブル機能を持つ「ラカント アルロースブランド」は黄色。腸活のための低カロリーシロップである「ラカント フローラビオ」は青色と、パッケージカラーもわかりやすい3色で色分けしていることから、3色の立体レールPOPなどの販促物や、商品特長を訴求するデジPOPを付け、ラカントブランド全体を訴求していく狙い。「〝カラダにおいしい甘さが得られるラカント〟をキーメッセージに、三つの商品を同時に売り込んでいきたい」と山田本部長は意気込む。

 その他にも毎日の身体づくりに熱心な20~40代の女性ユーザーに対して、人気のあるインフルエンサーからの情報発信やインスタグラムによるラカント認知層への発信を強化。さらに専門誌・ウェブによる情報発信に努める。

 サラヤは、来年発売30周年を迎えるロングセラー商品の「ラカントS」を軸に、付加価値を高めた「フローラビオ」「アルロースブレンド」の新機軸の3商品の打ち出しを通じて、今後も新商品を発売。一段と高まる健康ニーズを取り込み、甘味料市場の活性化を担う方針を掲げている。

ドラッグストア売り場を中心にラカント3商品の販促物を用意