「省人化」「CO2削減」「安全・安心」で国際物流総合展に出展

 食品や日用品を運ぶパレット、オリコンなど物流関連容器の衛生対策がより求められるようになってきた。配送センター等ではパレットやオリコン、流通コンテナのほか、CK(セントラルキッチン)では工場内で使用するコンテナ、器具、床洗浄まで衛生対策が必要。洗浄のことならトータルで提案できるクレオの存在感が一段と高まっている。

 クレオは1976年の創業以来、一貫して食品工場の衛生に携わり、ハード、ソフト、メンテナンスを一気通貫で提供。小売業や卸売業、物流企業などでも高く評価され、容器洗浄機市場では6割以上のシェアを誇り、1万拠点以上で採用されている。

 こうした状況下でクレオは、配送センターやPC(プロセスセンター)が喫緊の課題として挙げる「省人化」「CO2削減」「安全・安心」の3テーマに沿うべく、9月10~13日開催の「国際物流総合展2024」に出展。最新の洗浄機と多彩な自動化(マテハン)機器を展示し、トップメーカーとして三つの課題解決を具体化する取り組みを展示する。名倉豊夫社長は「当社は洗浄機を活用することで容器の衛生レベルを上げる『安全・安心』、洗浄機とマテハン機器を組み合わせた『省人化』、洗浄・乾燥工程で蒸気使用量を抑制する『CO2削減』を提案していきます」と強調する。

 特に2024年問題から注目を集め、急速に移行が進んでいるパレットの衛生対策には、「パレット洗浄脱水ライン+ロボット」を初披露。段積みされたパレットをロボットが1枚ずつ洗浄機に投入すると、圧倒的な水量で全体を洗浄し、回転ブラシで黒ずみ汚れも一掃。その後の遠心脱水で水滴が除去されパレットの段積みまでを行う工程となっている。ロボットを活用することでパレットを1時間300枚まで高速処理するとともに、指定のレーンへの振り分け、段積みができるため、レイアウトの自由度がアップし、省スペース化にもつながる。クレオでは設置スペース、洗浄量などに合わせて1時間あたり30~300枚の洗浄機をラインアップ。2024年問題対策で広がるパレット洗浄のニーズに応えていく構えだ。

ロボットがパレットを1枚ずつ洗浄機に投入「パレット洗浄脱水ライン+ロボット」

最新の洗浄機と多彩なマテハン機器で食品、日用品のオリコン洗浄を浸透させる

 オリコンも個配が増えている生協やネットスーパー、青果物の陳列など、一般消費者向けの場所でも使われ使用頻度が高い。当然、一般消費者から衛生意識への関心も高まっている。名倉社長は「ドラッグストアでも生鮮3品や惣菜を扱うことで、食品と日用品のオリコンの混載が増えています。室外に置かれるケースが多く、汚れがつきやすいオリコンの徹底洗浄は、『安全・安心』な商品の提供に必要不可欠。当社は洗浄機をご提供することでオリコンの衛生レベル向上と、洗浄の省人化に貢献してまいります」と力を込める。

 今回、クレオは「オリコン洗浄脱水ライン+AGV」を出展。畳まれて重ねられたオリコンの段バラシから人手が必要な組み立てや折り畳み、洗浄、脱水、段積みまでの一貫した作業工程をすべて自動で行い、1時間1000枚ほどの大量処理を可能にする。さらに洗浄前後の人手で行うオリコン搬送の省人化まで提案。「AGV」を活用することで、洗浄前のトラックバースから洗浄室、洗浄後の仕分け室への搬送の工数削減が期待できる。

組み立てから折り畳みまで自動化した「オリコン洗浄脱水ライン」

 また処理能力が少ないセンター向けの「バッチ式オリコン洗浄脱水機」を初披露する。ドライ物流で使用する50Lタイプのフタ付きオリコンに対応。折り畳まれたオリコン4枚を入れて起動ボタンを押すと、洗浄槽に水を貯めて浸漬し、その後回転しながら全体を丸洗いする。すすぎの後、高速回転の遠心力で脱水を行い、1時間で120枚程処理ができる。約1m角のコンパクトサイズでしかも電気と水しか使用しないため設置は簡単。センターの空きスペースに設置し、時間に余裕がある時に洗浄するという運用にも適している。

フタ付きオリコンを1時間に120枚ほど洗浄脱水処理できる「バッチ式オリコン洗浄脱水機」

 クレオでは、「CO2削減」や光熱費の削減の取り組みにも力を入れている。「新型排水熱回収装置」(特許出願中)は、洗浄後の排水の熱を利用し、すすぎに使用する水を加温する装置。60度の排水を回収し、装置内で熱交換して10度の水道水を36度まで昇温できる。同社の試算では、前述の条件で使用した場合、年間のCO2排出量を約16トン、燃料費を約60万円削減できるという。同装置は従来機の構造を見直し、熱効率を向上させるとともにサイズをコンパクト化。洗浄機の投入口の下にも設置でき、既設の洗浄機への後付けも可能だ。

 名倉社長は「人手不足が課題となっている物流業界では、パレットやオリコン、コンテナなどの利用が一層広がりを見せています。大事な商品を運ぶ各種容器の衛生レベルを向上したいが、人手不足で洗浄工数が思うようにいかないという悩みを持つ企業様は多いと思います。当社は洗浄機を通じて衛生レベルの向上、省人化、さらにCO2削減、光熱費削減といった課題解決に取り組んでまいります」と力強く語った。

クレオの名倉豊夫社長は、洗浄の「省人化」「CO2削減」「安全・安心」に力を入れる