ファンケルが機能性表示食品「ウェルエイジ プレミアム」の販売を再開する。独自の加齢研究開発を続ける同社は、世界初※1の機能性関与成分「キンミズヒキ由来アグリモール類」を開発。2025年4月17日に中高年の一時的な疲労感を軽減し、活気・活力を維持するウェルエイジ プレミアムを発売した。 ところが初月の売り上げが計画比約400%となり、安定供給が難しくなったことから、直販ECの定期便以外の販売を制限した。その後、生産体制を見直し、25年10月から首都圏を中心とした一部ドラッグストアなどでテスト販売を開始。26年春から順次販路の拡大を目指す。消費者が発売再開を心待ちにしているウェルエイジ プレミアムの流通戦略について、三宅清三郎執行役員(マーケティング推進統括オフィス流通営業本部本部長)に話を聞いた。

首都圏限定でテスト販売を実施

 ――ウェルエイジ プレミアムのヒット要因は何でしょうか。

 三宅 ファンケルの理念である「正義感をもって世の中の“不”を解消しよう」を具現化した商品であることです。商品発売以降、10年以上の研究を経て発見した成分「キンミズヒキ由来アグリモール類」の価値を全社を挙げて発信しました。商品特長がSNSで話題になったり、多くのメディアに取り上げていただいたりしました。それにより消費者の興味関心を引き出すことに成功しましたが、注文が殺到し販売を制限せざるを得なくなりました。

ウェルエイジ プレミアム

 ――美と健康の領域では、成分の機能性にこだわるトレンドが定着。研究開発を重視するファンケルに追い風が吹いています。

 三宅 コロナ禍を機に自分自身の価値観に向き合う時間が増え、消費者ニーズがパーソナル化しています。美と健康の領域でも、理想を叶えるのに必要な商品だけを買いたい、と考えるお客さまが増えている。ウェルエイジ プレミアムは、消費者ニーズの変化を捉えた革新的な商品ですから、生活導線上でのお客様との接点最大化とブランド浸透をお取引先様と協働して拡販したいですね。

 ――流通戦略はどのようなものに。

 三宅 私たちは全国5万6000店舗の売り場に商品を届けています。ただ、ウェルエイジ プレミアムは生産体制を強化したとはいえ、現状ではすべての取引先への配荷は難しいのが実情です。ファンケルを認知している美と健康への意識が強い消費者は、通販と直営店舗を利用する傾向が強い。ですから、流通企業各社とはファンケルを知らない消費者、あるいはファンケル商品を買ったことがない消費者と出会う取り組みに集中したい。その試金石として、25年10月からテスト販売に取り組んでいます。

 ――テスト販売の成果はいかがでしょうか。

 三宅 首都圏(1都3県)を中心とした1100店舗で販売していますが、広告を打たなかった10月の反響は限定的でした。ですが、プロモーション戦略が始まった11月は売り上げが伸びています。じつはファンケル流通営業本部にとって首都圏エリア限定、企業限定、店舗限定の営業戦略は初めての試みで、当初は社員が戸惑ったんですよ。

 ――と言いますと。

 三宅 これまでは5万6000店舗への展開を前提に戦略を練っていましたが、高単価の付加価値品になるほど、美と健康への意識が高いお客さまが集まる店以外では売り難くなります。ですから、ファンケルの理念、創業者が化粧品と健康食品(サプリメント)に取り組んだ想いなどをバイヤーさんに説明し、共感していただいた取引先と一緒に高付加価値品をご購入いただくお客さまに喜んでいただき、製販ともに潤うビジネスに導きたいと考えています。

イオン津田沼店の売り場に展開

 ――社員の行動は変わりましたか。

 三宅 もともとファンケルの創業の精神や商品開発への強い思いに共感し入社した社員が多く、エンゲージメントは高い。ところが、それを取引先に伝える機会が少なく、流通戦略に生かし切れていなかったのは否めません。いまは定期的に私と社員が対話するミーティングを開き、製販協働の理想の姿を語り合っています。それをもとに社員自らが行動を変え、主体的に改善を繰り返すPDCAが回り始めています。その結果、自分自身の言葉で当社や商品の魅力を語るとともに、取引先の創業の精神や成長戦略に則った協働を考えて提案できるようになり始めています。また、テスト販売では、私を含む社員が55店舗に足を運び、売り場の立ち上げに参加させていただきました。店頭に行くと、たくさんの問題点に気が付きますから、積極的な改善活動を展開しています。このような現場起点の経験を積んだ社員は、必ず成長します。ファンケル流通営業本部の提案にご期待ください。

※1 ヒト臨床試験においてキンミズヒキ由来成分でQOL維持機能(活気活力の維持、一時的な疲労感の軽減)が世界で初めて論文報告された(PubMed及び医中誌Webの掲載情報に基づく)