有効成分「グルクロノラクトン」疲労の予防・回復に
総合家庭用品メーカーのレックがドリンク剤事業に本格参入する。その第1弾となるのが1月27日から発売する指定医薬部外品「グロモントPREMIUM」だ。
グロモントは1960年代に販売を開始したドリンク剤ブランドで、第3類医薬品「グロンサン」とともに長年にわたり広く知られてきた。レックは、この高い知名度を誇るグロモントとグロンサンの両ブランドを24年6月にライオン株式会社から譲り受け、販売を継続してきた。今回、商品名をこれまでの「新グロモントA」から「グロモントPREMIUM」に刷新。パッケージも黄色地に黒文字へ変更し、商品名の略称「GP」の文字を大きくあしらうなどにより、リブランディングを図る。また、グロンサンもパッケージで使用されている「G」の文字をスタイリッシュなフォントに変更する。
グロモントPREMIUMは有効成分の一つに、肝臓の働きをサポートする「グルクロノラクトン」を配合しているのが特徴だ。体内では、疲労の原因となる老廃物は水に溶けるものであれば汗や尿とともに体外に排出される。一方、水に溶けない老廃物は、肝臓で作られる「グルクロン酸」と結合することで、水溶性の「グルクロン酸抱合体」に変換され、体外に排出される。グルクロノラクトンは、グルクロン酸抱合体を分解しようとする体内の酵素の働きを抑制し、老廃物の排出をサポートする。
レックの営業企画担当者は「グルクロノラクトンが配合されたグロモントPREMIUMを、疲れをためたくないと考えている方に対してアプローチしていきたい」と語る 。
アスリートの起用で若年層のユーザー拡大を狙う
リブランディングに合わせて、プロモーションも強化する。1月2日から放映予定のテレビCMでは、シニアユーザー向けに歌手・俳優の吉川晃司を起用。エネルギッシュに活躍する吉川の姿を通じ、疲労の予防・回復につながるグロモントPREMIUMの効能をアピールする。
一方でアスリートを起用したCMも用意。バレーボール篇は古賀紗理那元選手と石川真佑選手、卓球篇は張本智和選手と張本美和選手、ゴルフ篇は安田祐香プロと安田美祐選手が登場。24年開催のパリオリンピックや世界大会などで活躍したアスリートたちが競技に向き合う姿を通じて、疲労の予防・回復の効能を訴求する。アスリートの起用はユーザー層の拡大を図るため。プロモーションを積極的に展開することで、認知拡大を図る。営業企画担当者は「くん煙殺虫剤を代表とする『バルサン』ブランドも当社に譲受された後に営業方針を変更し、大きく成長した。当社商品のターゲット層である女性ユーザーにもすそ野を広げたい」として、今後、ウェブCMなどの展開も検討している。
今回のリブランディングは、価格の適正化を図る意図もある。営業企画担当者は「商品の価値をテレビCMや売り場のポップアップなどできちんと伝えてお客様の理解を深めたい」と強調する。また販路の拡大も目指す。現在はドラッグストアが中心だが、レックの取扱商品の販路でもある食品スーパーやホームセンターでも医薬部外品のドリンク剤の販売が増えていることから、「グロモントPREMIUMを取り扱っていただける余地はまだまだある」(営業企画担当者)と見て、積極的に提案していくほか、今後はラインアップの拡充も検討中だ。エナジードリンクの拡大を受けて縮小傾向が続くドリンク剤市場で、レックは新規ユーザーを獲得することでシェア拡大を図るとともに市場活性化も狙う構えだ。