スーパーが撤退した立地で黒字化を達成

 今年4月、札幌から70kmほど南東の厚真町上厚真地区にローソンが初出店した(冒頭写真)。昨年4月、同地区に唯一あったスーパーが閉店。食品の買い場がなくなったことから、町が働きかけ、出店が決まった。

 売り場面積は約30坪で、取り扱い商品は約3000アイテム。基本のラインアップに加え、生鮮食品、さらに冷凍のジンギスカン肉など北海道ならではの商品も取り揃えた。常務執行役員の川畑卓開発本部長によれば、「店舗面積が限られるのですべてのニーズには応えられないが、地域で求められる最大公約数の商品を取り揃えた。今後は地域のニーズを見ながら品揃えをチューニングしていく」方針だ。

 ローソンでは近年、こうした買い物困難地域への出店を増やしており、今年だけでも、厚真町のほか、長野県阿南町、大分市、和歌山県龍神村などの過疎化・高齢化が進んだエリアに出店した。この背景には近年、特に地方で展開する中小スーパーの撤退が相次いでいることがある。川畑開発本部長は、「地域のライフラインとなっていた店が経営難から閉店し、買い場がなくなる地域が増えている」と指摘。そうした需要の受け皿として「コンビニに声がかかることが多くなっている」と語る。

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