二つの大型複合センターで惣菜の競争力が大きく向上
99円(税別、以下同)のサンドイッチや149円のパスタ、239円の弁当など、値ごろな惣菜の充実で集客力を高めているドラッグストアのゲンキーが、コンビニキラーとしての存在感を増している。同社の前期(2024年6月期)売上高は1848億円、そのうち食品が約7割の1277億円を占める。惣菜の構成比は食品全体の3%弱と割合こそ低いものの、そのポテンシャルは高い。同社の食品製造を担うゲンキー食品の田中芳彦社長は「今期は2年前比で150%ぐらい伸びており、伸び率は全部門の中でトップクラス。小商圏で生き残っていくためには同じお客様に何度も来店していただきたい。そこで最大の競合になるのはコンビニであり、節約志向が高まる中で、当社が狙うのはコンビニの後釜。その主役は惣菜だと思っている」と力を込める。
惣菜強化の重要拠点となるのが、23年8月に稼働した富山小矢部RPDCだ。RPDCとは物流と食品加工を担う大型複合センターで、19年稼働の岐阜安八RPDCと合わせて生産能力が大幅にアップ。サンドイッチ、焼き魚、海苔なしおにぎり、パスタ、ポテトサラダなど、小矢部PCから生産を始めた商品も多い。中でも23年12月に仕入れ品から自社生産に切り替えたサンドイッチは99円、149円、199円の三つの価格帯で10種類程度を展開。「仕入れの商品と比べて売り上げは2倍に伸びた。コンビニからランチ需要を奪っている」と田中社長は胸を張る。
