CGC連合が各県で存在感を放つ

 東北のSM企業にとって衝撃だったのではないか。クスリのアオキホールディングス(HD)による伏見屋の買収だ。同社は長年各地でSMの買収を続け、東北ではマルホンカウボーイ、フレッシュフードモリヤなど複数の屋号の店舗を36店舗抱えていた。ただ伏見屋の社長が業界紙に語った「将来の展望が開けない」の言葉通り、実際の店舗を見て回れば老朽化が激しかったり、ポイントシステムが企業間で統合されていなかったりと、投資が不十分である点が散見された。クスリのアオキは伏見屋の今後について、「閉店も増えてくる」と明かしている。一方で、東北の広範囲のドミナントの中に東北最大の市場である仙台市が含まれていること、またルーラル立地ではむしろアオキのワンストップのフォーマットが集客力を発揮する可能性が高いこともあり、競合するSMやDgSにとってはむしろ嫌な存在となり得る。

宮城県村田町のマルホンカウボーイ村田店
仙台市若林区のフレッシュフードモリヤ沖野店。老朽化が激しかった

 ただ東北地方は外からの越境組が少ない。今回の一件でアオキは秋田に進出し、青森を除く5県の店舗網で売上高も500億円を超える見込みだが、それ以外で目立つのはDSのトライアルカンパニーとロピアくらいのもの。トライアルは2023年、青森県のSM佐藤長から一部事業を譲り受けトライアルに刷新。それ以外にもスーパーセンター業態などの居抜き出店を続け、計37店となっている。これに続くのがロピアで、イトーヨーカドー跡地への出店により、青森と五所川原(ともに青森県)の2店をオープン済み。今春には岩手県の花巻を予定しており、すでにある仙台と合わせて合計4店体制となる。

この記事の購読は有料購読会員に限定されています。
まだ会員登録がお済みでない方はこちらから登録ください。
有料購読申込

すでに会員の方はこちらから

特集一覧