DS、ドラッグの出店攻勢と人口減に追い込まれるSM

 九州の食品スーパー(SM)の生き残り競争が佳境に入っている。目下、積極的に勢力を拡大しているのはイオン九州くらいのもの。そのほか威勢がいいのはディスカウントストア(DS)とドラッグストアばかりで、すでに有力SMの生き残りは各県ごとに数社程度にまで絞り込まれてきている状況がある。そこへ西友を買い取る形でイズミが商勢圏を拡大。さらにはロピアが福岡に進出してきているほか、大黒天物産(ラ・ムー)も九州での出店をじわり加速。いよいよ淘汰の最終ステージが始まりそうな気配がある。

「出店はDSがぽつぽつと、あとはコスモスとドラモリばかり」。地場SMの元幹部は九州の現状をこう語り、ため息をつく。周知の通り、九州は元々DS大国だ。福岡発で今や全国チェーンとなったトライアルホールディングス(HD)をはじめ、サンドラッグ傘下でフード&ドラッグ型の展開を強めるダイレックス、関東のロヂャースにDSの極意を学んだ三角商事(ルミエール)など、地場の有力DSは枚挙に暇がない。こうした安売り店は地元客からの支持も厚く、損益分岐点も低いため、出店もSMに比べて旺盛な傾向がある。

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