イオン九州やトライアルホールディングス(HD)など九州のスーパーマーケット13社が8月2日、物流課題の解決策を企業横断で検討する「九州物流研究会」を発足し、その第1回会合を開催した。

 参加企業は、社名公表を承諾したエレナ、サンリブ、西友、トキハインダストリー、トライアルHD、西鉄ストア、ハローデイHD、イオン九州など合計13社だ。

 発足のきっかけとなったのは、イオン九州の柴田祐司社長とトライアルHDの永田久男会長のやりとりから。SDGs、カーボンニュートラルなど環境負荷低減が叫ばれる中で、特に物流はCO₂の排出抑制のみならず、2024年問題を抱え、ドライバー不足が顕著になること、またコストも高騰する一方であることから、「物流の各社最適を九州全体最適へと持っていきませんか」と柴田社長が呼びかけ、永田会長が呼応。イオン九州とトライアルHDの2社が事務局となり、他のスーパー各社に研究会の発足と参加を呼びかけた。

 研究会では物流分野で将来起こりうる課題解決に向けて仕組みを構築し、各社の問題点や課題の解決に努める。

 まずはイオン九州、トライアルHDの2社で実証実験を始める構え。冷蔵品はハードルが高いことからまずはグロッサリーからエリアは参加企業のドミナントが多い北部九州から始め、ゆくゆくは南部を含む九州全体に広げたい考え。実験の中身については、始めからシステム化は難しいことから、トラックの共同運用など、積載率を向上させることから始める見通しだ。第2回の会合は10月を予定。今後は実証実験を進めつつ、賛同する小売業の拡大や、産官学連携の取り組みも推進する。

 九州物流研究会は目指す姿として、温室効果ガスの削減、商品と車両の移動距離の削減、低公害車の導入推進、そして小売業や運送業者のエッセンシャルワーカーとしての社会的地位向上を掲げている。憧れの職業を目指すことで、九州の将来を担う優秀な人材の確保にもつなげたい考えだ。

(冒頭写真 第1回会合に参加したイオン九州の柴田祐司社長<左から3番目>とトライアルHDの亀田晃一社長<右から1番目>