全国六つの大学ゼミが参加し、食品スーパーの未来とCSRのあり方を考えプレゼンする「CSR構想インターゼミナール」が1月11日、横浜市のセブン&アイHD伊藤研修センターで開催された。日本経営倫理学会実行委員会が主催、全国スーパーマーケット協会らの後援によるもので、企業経営やCSRなどを学ぶ学生たちが、「フューチャーストアナウ―未来のスーパーマーケットをCSRの視点から考える―」のテーマの下、社会課題と食品スーパーの役割を結び付けた取り組みを発表し、プレゼンテーションと会場内に掲示したポスターの説明内容の2点で競い合った。


 参加した大学は帝京平成大学、関西大学、南山大学、お茶の水女子大学、東北大学、跡見学園女子大学の6校のゼミ生で、審査員には各ゼミの指導教官のほか、CSR構想インターゼミナールの立ち上げから関わる梅津光弘・慶応義塾大学商学部准教授、河口洋徳・経営倫理実践研究センター専務理事、イトーヨーカ堂経営企画室CSR・SDGs推進部の小山遊子総括マネジャー、京王ストアの萩原礼顕永福町店長、クックパッドTVの本澤友行ストア事業部長、全国スーパーマーケット協会の村尾芳久事務局次長が加わった。

 午前の部では、帝京平成大学がフードロス削減に向け、フードバンクを食品スーパーが担い、ポイントカードを活用してお客の認知を高めることを提案。関西大学は新技術を活用した健康サポートや災害などの非常時の在庫連携、南山大学はデジタル化された買い物カートを通じて、お客が地域の団体に自らのポイントを寄付できる仕組みを発表した。

 午後の部ではお茶の水女子大学が若者をスーパーに呼び込むため、地域内で緩いつながりを形成し食事イベントを開催するプランを発表。東北大学は最新技術を活用しお客の健康状態を見える化してメニューを提案、跡見学園女子大学はフードロス削減のために鮮度チェック強化や食品ロスフェスタを開催することなどを提案した。プレゼン後には審査員や他校の学生から積極的な質問が飛び出し、相互理解を深めていた。

東北大学の提案ポスター

 最優秀賞には、未来の社会はどうなるのか、という問いから人生100年時代をベースにプレゼン内容を組み立てたことが評価され、東北大学が選出された。同校は2月13日から始まる商談展示会「スーパーマーケット・トレードショー」の中でもプレゼンの時間が設けられる。また各大学の発表内容も展示会場内に掲示される。