全国スーパーマーケット協会はこのほど、食品スーパーのバイヤーと地方事業者の商談を支援する新たなセールスサポート事業として「FOODトレード“アシスト”パッケージ」を開始した。
コロナ禍で食品スーパーのバイヤーと地方事業者の商談が困難な中、協会として首都圏を中心に地域産品の導入や、販売促進を支援しようという試みだ。具体的には特設会場に協会の正会員バイヤーを招聘し、地方事業者から送られてきた地域産品を協会の専門家が地方事業者に代わって紹介しようというもの。
会場ではスーパーの店舗の陳列棚をイメージして商品を並べ、バイヤーは専門家から商品の説明を受け、試食するか否かを決める。試食後には商品を評価した上で、実際に商談を行うかどうかを判断する。バイヤー側は完全予約制、事業者側は最大3品目まで商品の出品が可能となっている。
すでに今年10月には第1回として高知、翌11月には第2回として北海道の商品をそれぞれ紹介。第2回は3日間開催し、バイヤーが約20名、地方事業者は20事業者が商品を出品した。
参加バイヤーからは「短時間で多数の地域産品を見ることができるため、商談効率アップにつなげられる」、「実際に商品を見て、触れて、試食しながら商品の説明を受けられる」、「商品知識を持った専門家が商談代行する形式だから、改善や要望の意見が出しやすい」、「実際に商品が陳列されていて売り場のイメージが湧きやすい」など高評価の声が多数挙がっている。
また地方事業者のメリットとしては「移動せずに非対面で商品提案ができる」、「経験豊富な専門家が商談代行を行うため、効率的な商品情報提供ができる」ことなどが挙げられている。
来年1月以降は、さらに規模を拡大して、隔月で開催する予定だ。協会で事業を担当する事業部流通支援課の玉田幸子課長は「事業創設にあたり、コロナ禍の中での新しい商談様式が必要だと考えていた。オンライン商談が主流になってきているが、リアルな商談会が1番良いという声もかなり多く頂いている。オンライン商談会のメリットやデメリットが検証されている中、リアル、オンラインの商談会に加えて、新たな販路拡大の一つの手段として、この事業を是非活用してもらいたい」と力強く語った。
(画像は代理商談を行うバイヤーと協会の専門家、スーパーの陳列棚をイメージして商品が並ぶ)