イオンは6月10日、PB「トップバリュ」からカカオ不使用のチョコがけビスケット「チョコか?WITH BISCUIT(ウィズビスケット)」を発売した。ひまわりの種を原料にした代替チョコレートを用い、本物のチョコのような香り、味わい、口どけを実現した。カカオの不足や価格の高止まりが続く中、安定供給に向けた取り組みとして実施する。

 同日開催の「トップバリュ サステナブル新商品発表会」で披露した。チョコか?に使用したのは、ドイツのスタートアップが開発したひまわりの種由来のチョコ代替品「チョビバ」。まずは数量限定でグループのGMS・SM約2200店で販売する。価格は12枚入りで税別398円。

 イオントップバリュの土谷美津子社長は「カカオは気候変動の影響などで生産量が減り、値上がりが続いている。また森林破壊や労働搾取といった付随的な問題も抱える」と指摘。現状はまだ、代替品に切り替えることで売価を大きく下げられるわけではないが、ひまわりはカカオに比べて栽培に必要なCO2排出量が最大10分の1に、水使用量や栽培面積は10分の1以下に低減できるサステナブルな原料という。土谷社長は「味に関してはすでに本物のチョコと遜色ないものができている」と自負、下期に向け代替チョコ商品のシリーズ化、展開エリアの拡大も進めていくとした。

発表会の会場では試食も実施し、本物のチョコそっくりの食味をアピールした

 また同発表会では、安全性とおいしさにこだわったトップバリュのベビーフードブランド「fun fun smile(ファンファンスマイル)」 の新商品7品もお披露目した。中で、下茹で済みの「にんじん」「かぼちゃ」、果汁入り飲料2種の計4品は有機JAS認証を取得、シリーズ初の「グリーンアイ」商品として6月30日から順次発売する。 

昨年11月に展開を始めたトップバリュのベビーフードブランド「fun fun smile」
「グリーンアイ」で展開する、手作り素材「にんじん」「かぼちゃ」
野菜のミックスジュース2種。こちらも「グリーンアイ」での展開だ

 特定原材料8品目を使用しない「トップバリュ やさしごはん」の冷凍食品シリーズからも新メニューが登場した。今までラインアップになかったスイーツラインとして「あんぱん」「濃厚ココアのなめらかテリーヌ」の2品を追加。いずれも7月16日から発売する。

「トップバリュ やさしごはん」シリーズの「あんぱん」
同「濃厚ココアのなめらかテリーヌ」

 そのほか発表会では、干し芋の製造時に発生する皮や皮周辺の未利用部分をアップサイクルしたトップバリュベストプライス「さつまいもクッキー」(5月20日発売)や、国内PBとして初めて国際フェアトレード認証を取得した切り花「ケニア産ローズ」(5月28日発売)などを紹介した。

干し芋の製造時に発生する未利用部分をアップサイクルした「さつまいもクッキー」
国際フェアトレード認証取得のケニア産ローズ5色

 土谷社長は「ここ数年でお客様の環境・社会課題への意識はますます高まっている。ただそれらに配慮した商品を発売しても、値段が高過ぎてはお客様に手に取っていただけない。大切なのは価格とのバランス。トップバリュは、人にやさしく、地球にやさしく、かつお財布にもやさしい商品を積極的に発売していく」と語った。

発表会に登壇したイオントップバリュ土谷美津子社長