人手不足が進む小売業で、従来の電話やFAX、メールに頼った伝達手段では、情報共有の速さや正確さに欠け、店舗運営にばらつきが生じ、売り上げに大きな差が出てしまう。そうした中、ヤマザワでは、ビジネスチャット「LINE WORKS」を全店舗に導入。売り場指示や生鮮品の仕入れた商品情報の共有など、バイヤー・本部と店舗間における情報伝達のスピードが一気に向上。全店舗の売上増加を実現した。導入後の効果検証について担当者に話を聞いた。

電話やメール、FAXから切り替え、チャットで迅速な情報共有基盤を確立

 1952年に創業し、スーパーマーケット(SM)を多店舗展開するヤマザワ。本部の山形を中心に、店舗網は宮城・秋田の3県にまたがり、全70店舗(23年8月時点)を展開。エリアの顧客になくてはならないSMとして確固たる地位を築いている。だが近年、各エリアには競合店も相次いで出店し競争も激しい。その中でヤマザワが業績・店舗を拡大していくには、本部と店舗間で情報をタイムリーに共有し、連携を強化する必要があった。以前は電話やメール、FAXが主な連絡手段であったため、SMに不可欠なスピード感のある情報伝達に欠けていた。

 例えば、バイヤーが市場や産地で買い付けた青果物をデジカメで撮影し、解像度を下げた写真をエクセルに貼り付けてから、各店舗へメールで送信していた。店長は、送られた商品情報の確認や在庫報告などで、何度も事務所と売り場を往復したり、青果物の鮮度を電話でバイヤーに確認したりと意思決定に多くの時間が取られていた。そのためメールよりもスピーディに情報共有ができ、同時に複数の相手と会話形式でやりとりができるツールの導入を検討した。また個人のLINEで業務情報を共有化する社員も散見され、会社側で管理が行き届かない状況も懸念された。そこで「LINE WORKS」の導入を決定、全店担当者のスマホにインストールした。

バイヤーと店長のトーク。仕入れ商品の写真をその場で撮り、すぐに店長に共有

 生鮮商品部・グロサリー商品部事務局マネジャーの若山真一氏は「『LINE WORKS』は誰もが使い慣れているLINEに似た操作感なので、スムーズな導入と利用の定着が期待できました。またSMの従業員は異動が多いため、本部側で管理しながら各従業員の登録や所属先の変更を一括で行えることも良かった」と導入決定の理由を語った。

効果的な陳列事例を店舗間で共有、売り場づくりに活かし、全店舗が売上増

 バイヤーの業務では、買い付けた新鮮な青果をスマホで撮影、店長とのトーク(チャット)に仕入れの現場から写真を送信し、店長たちは売り場から店舗への仕入れ判断や意見をリアルタイムに返信できるようになった。また仕入れ商品に劣化品が含まれていた時は、店長が写真に撮ってバイヤーにトークで戻す。バイヤーは商品の状態を把握しやすくなり、仕入れ先に代替品の用意をスムーズに依頼できるようになった。

 店舗では、毎日、商品陳列の様子を示す売り場写真をトークで送信し、販促効果の高い陳列事例を店長同士で共有。効果的な売り場づくりに活かし、全店舗での売上増に貢献している。

各店舗の特長ある陳列の仕方をブロック内で共有しながら、より魅力ある売り場づくりに活かしている

 導入効果は、バイヤーや店舗だけにとどまらない。「LINE WORKS」はトークだけではなく、カレンダー機能やアンケート機能など、さまざまな業務に役立つ機能が備わっており、本社でも有効的に活用されている。若山氏は「本社ではアンケート機能をよく使います。毎週1回、全70店舗に向けて競合店の価格調査をしたり、新商品開発の意見を集めたりしています。紙のアンケートでは作成やFAXでの配布、回収・集計に手間がかかりますが、『LINE WORKS』に置き換えてからは、アンケート業務に費やす業務時間は、以前の10分の1くらいに減少しています」と効果を語る。

各店舗への調査やヒアリングはアンケート機能で実施。質問の配布と回収・集計がスピーディになった

「LINE WORKS」は、個人のLINEとつながることができる唯一のビジネスチャット。ヤマザワでは、遠方にいる生産者のLINEとバイヤーがつながって情報交換ができれば、青果の生育状況などをタイムリーに把握してより的確な仕入れに活かせると期待を膨らませている。社内だけでなく、社外との情報連携も強化し、顧客により鮮度の良い商品を届けるために欠かせないツールとしてもっと活用したいと考えている。

(冒頭写真 左からヤマザワの情報物流部業務サポート主任の新野健司氏、取締役人事教育部長兼情報物流部長兼プロジェクト管掌の山本哲也氏、山形南ブロックブロック長兼松見町店店長の沼倉英夫氏、置賜ブロックブロック長兼南陽店店長の原田芳樹氏、生鮮商品部・グロサリー商品部事務局マネジャーの若山真一氏、生鮮商品部青果商品部バイヤーの石山諒氏)

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無料で今すぐ使える「LINE WORKS」

https://line-works.com/


⾷品業界の方向け紹介ページ

https://line-works.com/landing/food-industry/

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「LINE WORKS そうだん窓口」

電話番号:03-4316-2996

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