いつでもどこでも検定試験が受けられる
全国スーパーマーケット協会が主催するS検(スーパーマーケット検定)のオンライン受験が、今年いよいよスタートする。
S検は、小売業・流通業で働く人の知識と技術の向上と、業界全体のレベルアップを図るために、厚生労働省策定の「職業能力評価基準」に準拠した業界のスタンダード資格だ。受験者数は毎年7000名に上り、スーパーマーケット業界はもちろんのこと、食品を扱う小売業の人材育成や、昇進・昇給に必要な資格としても広く活用されている。
今回オンライン受験が可能となったのは、S検の7つの講座と、今年新設された、「食品安全衛生技術管理士(食品安全リーダー)」の講習・資格試験だ(詳細は下図参照)。いずれもタブレット端末での受験を想定している。
オンライン受験は、S検を利用する企業側にとって、新型コロナウイルスの感染防止はもちろんのこと、他にもメリットがある。オンラインでいつでもどこでも受験が可能となるため、わざわざ決められた会場に移動する必要がなくなり、移動のための時間も費用も抑えられる。店舗の従業員が受験する際の、現場のオペレーションへの影響が小さくて済むようになるのだ。
一方で企業側にとって気になるのが不正防止対策だ。替え玉受験の防止には、ID管理や顔認証システムを活用。また同じ講座の受験者であっても異なる問題が出題されるシステム設計となっており、カンニングも防ぐことができる。
自前の教育カリキュラムや社内試験を整備するのが難しい中小企業にとって、S検は人材教育の一助となる。「特に社内試験は公平さが求められる。その意味で第三者としてのS検を活用していただければ」と村尾芳久・全国スーパーマーケット協会事務局次長は語る。
さらに今年4月からは同一労働同一賃金が導入され、大手・中小を問わず、正社員、パート従業員の待遇格差をなくす体制の整備が求められるようになった。人材教育も同様で、パート従業員でも希望すれば、正社員同様に教育を受けられるようにする必要がある。そうした柔軟な体制づくりにもS検は有効だ。
各講座の申し込み締め切りは、S検7講座が5月20日まで、食品安全衛生技術管理士通信講座は9月30日まで。ベーシック、マネジャー、バイヤー級検定は、春講座の他、秋講座も予定している。村尾次長は「スーパーマーケット業界のみならず、食品を扱うドラッグストアや異業態の方にもぜひ利用していただきたい」と期待を込める。問い合わせはS検事務局(sken@retail-hrd.com)まで。