美容、健康意識の高まりに応え砂糖に代わる自然派甘味料が浸透
2021年に最も売れた商品「日経POSセレクション売上№1」に、自然派甘味料「ラカントS 顆粒」が選ばれた。小売業のPOSデータを基にした加工食品や飲料など約2000ある分類のカロリー甘味料部門で、2年連続の1位となった。他の低カロリー甘味料とは違い、化学合成の甘味成分を一切配合せず、100％植物由来の自然派甘味料であることが特徴だ。砂糖と同量に置き換えるだけで、簡単にカロリーと糖質をカットできることが評価された。
原料は漢方として古くから親しまれてきたウリ科の果実「羅漢果（ラカンカ）」から抽出した高純度エキスと、トウモロコシの発酵から得られる天然甘味成分「エリスリトール」の二つ。もともと糖尿病患者向けに1995年に開発されたものだが、近年は、ダイエット・美容・美肌、健康維持が目的の新たなユーザーを獲得。砂糖による糖化作用が老化原因になるという認知拡大と、昨年からの砂糖の値上がりも加わって、砂糖の代わりに、「ラカントS」を使う20～40代の女性ユーザーが増え続けているのだ。
山田哲取締役コンシューマー事業本部本部長は「砂糖に代わる調理素材で定着したことから、常備品として家庭に浸透しています。とくにスーパーでは調理に使う生鮮食品との買い回りも多いことから、SM・GMS向け顆粒商品『ラカントS』の300g、600gの中・大容量サイズの伸びが顕著です。また、砂糖に比べて価格帯も1000円以上と高いことから、使用ユーザーはバスケット単価が高いスーパーの優良客層が多い。そこで多くのスーパーで甘味料の定番売り場に欠かせない付加価値商品としての取り扱いが増えています」と売れ行き好調の理由を語った。
若年層を中心に使いやすい液状「ラカントS シロップ」の売り上げも伸びている。ただし、液状は甘さが必要な冷たい飲料にも加えることが多いことから、もっと甘みを強くしてほしいというユーザーの声も多かった。そこで味とパッケージを改良し、3月にリニューアル発売した。普段から液状タイプを使ってもらえるように甘みを感じやすくし、よりおいしく仕立てた。また、シロップと顆粒を料理によって使い分けするユーザーが多いことから、両商品の併買率が他社商品に比べ圧倒的に高い。そこでリニューアルに合わせてシロップと顆粒の同時陳列の訴求によって、売り場での買い上げ点数アップも提案している。
さらに主要ターゲットの20～40代女性に向けては、「ラカントS」を使ったヘルシーで簡単なレシピを動画サイトやSNSで紹介。ユーチューブやインスタグラムのフォロワーは甘味料メーカー1位を獲得し、その数は増え続けている。直近では若年層の利用が多いティックトックで認知を高め、売り場に誘導する施策で購買意欲向上を図る。
糖質を抑えた調味料や糖質コントロール商品が伸長
ごはん」がスーパーで2桁伸長した
