特定ウイルス、菌種への有効性告知で選びやすい環境作りに努める
感染拡大が繰り返す中で、アルコール消毒剤の「新型コロナウイルスへの消毒効果」について明確な基準が店頭で示されることとなった。2020年以降、新型コロナウイルス感染症が広がり、アルコール消毒剤の輸入品や新規参入が一気に増加した。その結果、店頭には様々な商品が溢れ、生活者は有効な商品を選びにくくなっている。さらに、生活空間除菌剤では景品表示法違反の商品が出回るなど、誇大広告によって、生活者のコロナ対策商品への信頼も揺らいだ。
そうした状況下で、今年2月、生活者が有効な商品を選びやすいように厚生労働省は、第三者による適正性の審査を経た根拠資料の提出を条件に、特定ウイルス、菌種などに対する有効性の情報が提供できるように通達した。この通達をもとに、家庭用商品のアルコール消毒剤「ハンドラボ」シリーズと「アルソフト 手指消毒ローション」を販売するサラヤは速やかに取り組みを開始した。
もともと医療・福祉、食品や公衆衛生など厳しい感染対策が求められるプロの現場に向けた手指消毒剤を開発・供給してきたサラヤは、家庭用でも同様に第三者の外部機関である大阪大学微生物病研究所で、新型コロナウイルスに対する効果試験を実施。その際に、実生活を想定した汚れなどの負荷物質を加えるなど、より厳しい試験基準を設定し、新型コロナウイルスへの有効性も確認した。
この有効性データを消費者に伝えたいという想いからサラヤでは、「新型コロナウイルスへの消毒効果の確認」の表現に関して関係省庁へ相談。その結果、薬機法だけでなく、景品表示法に関する観点からもアドバイスが得られた。こうした過程を経て、同社では、商品POPと店頭用POPに、新型コロナウイルスの有効性を表記。さらに「ハンドラボ」シリーズでは、インフルエンザウイルス、ノロウイルス、アデノウイルスなど特定ウイルス、菌種に対する有効性も併記する。