話題の素材「イヌリン」で腸内フローラを良好にする

 低カロリー甘味料市場は、ダイエット志向を背景に急伸してきたが、直近では価格改定などが影響して売り上げが鈍化してきた。その中で植物由来甘味料「ラカントS 顆粒600g」は、「日経POSセレクション売上№1」に4年連続で選ばれ、主要スーパーの低カロリーカテゴリーの年間売り上げランキング上位に入るなど高い評価を維持している。

 ラカントSは、ウリ科の植物「羅漢果(ラカンカ)」から抽出した高純度エキスと、トウモロコシの発酵から得られる甘味成分 「エリスリトール」の二つの素材が原料。100%植物由来で安全性が高いほか、砂糖との置き換えで簡単にカロリーと糖質をカットできる。健康志向が高い米国の消費者の間でもラカントSを中心に植物由来の甘味料の伸びが顕著だ。

 そこでサラヤは、国内でのさらなる甘味料市場拡大を見据え、2024年春プロダクツ方針で新たにラカントブランド初の腸活シロップ「ラカント フローラビオ」(写真、265g、機能性表示食品)を発表した。話題の機能性関与成分の「イヌリン」(食物繊維)が腸内のビフィズス菌を増やし、腸内フローラを良好にし、食後血糖値の上昇をゆるやかにするW機能を持つ商品。この2つを備えるため通常よりも長い開発期間を要し、今年3月に一斉発売した。

 主要ターゲットは、ラカント愛用者やお通じなどに悩んでいる若年女性だ。安定的なお通じに必要な食物繊維の目標量は18g以上だが、若年女性は2.5gほど水溶性食物繊維が足りてない。この若年世代から注目されているのが「イヌリン」だ。イヌリンは難消化性デキストリンなどに比べ、腸内細菌に発酵される割合は100%と非常に高いことに加え、血糖値の上昇を抑える効果もある。さらにイヌリンは腸内全体のビフィズス菌を増やし、1日の目安量である大さじ1杯(22g)分でしっかり食物繊維が摂れる。

 また毎日の腸活実施者でカロリーや糖質を同時にカットしたい20~40代の女性が急増していることから、ラカントの100%植物由来の甘味を加え、糖質50%※1、カロリー48%オフ※2に抑えた。

 山田哲取締役コンシューマー事業本部本部長は「イヌリンそのものに甘さはありませんが、『フローラビオ』は、ラカントの100%植物由来の甘さを加えたので、甘味もあり、手軽に腸活できます。レシピではヨーグルトを中心に、飲料・ドリンクなどにかけて最適な甘さでおいしく食べることができます。そこでスーパーでは吊り下げ什器を使い、ヨーグルト売り場との関連販売を強化しています」と商品価値と販促施策の両立を強調する。サラヤではイヌリンの「整腸」と「食後血糖値上昇抑制」の二つの機能を商品パッケージやボードでしっかり訴求し、健康志向の高い若年女性を中心に取り込みを図る構えだ。

「ラカント フローラビオ」の吊り下げ什器とトップボードを用意した
にラカントブランド初の腸活シロップ「ラカント フローラビオ」 ※スーパーマーケット用パッケージ

※1 <はちみつとの糖質比較について>フローラビオ:分析値 はちみつ: 日本食品標準成分表2020年版(八訂)記載の「炭水化物」から「食物繊維」を差し引いて求めた「糖質」の値 参照
※2 日本食品標準成分表2020年版(八訂)「はちみつ」と比較

15年ぶりのフルリニューアルで味質改良と2層構造に変更

 またラカントブランドでは、08年の発売以来、糖尿病やカロリーを気にする人から圧倒的な人気を誇るロングセラー商品「ラカント カロリーゼロ飴」が3月にリニューアル発売された。今回のリニューアルでは味質と2層構造を変更し、よりおいしくなって生まれ変わった。

 従来品はフレーバーが混在していたが、リニューアル品は裏表の2層構造にすることで全体のフレーバーを変えず、カロリーも従来品と同等だ。カロリーゼロを担保しつつ、フレーバー感をアップしたのだ。さらに砂糖を使うことなく、カロリーゼロながらも高純度羅漢果エキスの上質な甘味を配合し、さわやかな甘さに仕立てた。

 味は、「ミルク珈琲味」「いちごミルク味」「抹茶ミルク味」の3品種。2層構造に変更し味の変化をより楽しめることから、新しいおいしさを実現。併せて、パッケージはより味わい深いシズル感を出しつつ、羅漢果と植物由来の良さを打ち出した。

左から「ラカントカロリーゼロ飴」の「ミルク珈琲味」「いちごミルク味」「抹茶ミルク味」の3品種

 山田本部長は「『ラカント カロリーゼロ飴』はドラッグストアとの親和性が強く、サイドネットなどを活用し、様々な売り場での展開を広げ、通年のPOPで訴求しています。またイベントでの配付や医療施設へのサンプリングなどを積極的に実施。新規ユーザーと過去の離脱者の両方の獲得も狙っています」と強調する。

 サラヤは、植物由来甘味料のラカントを使った商品群を広げ、低カロリー甘味料市場全体の活性化に貢献。健康志向が高まる若年層を取り込む施策を推し進めていく方針だ。