国産クラフトジンが若年層のライトユーザーを獲得
市場拡大が続く国産クラフトジンの活性化に向け、今春夏、養命酒製造はカテゴリー提案を強める方針だ。2022年度上期の家庭用酒類市場は、ほぼ前年並みに推移しているが、ジンは前期比133%と2年連続で2桁成長を遂げている。その中でも大手メーカーの主力品と海外産ジンを除いた国産クラフトジンは、前期比113%と堅調に推移している(いずれもKSP‐POSの22年4~9月のデータ)。家庭用酒類市場には特色のある国産クラフトジンの品揃えが増えており、ソーダ割りなどで手軽に楽しむ30代、40代男女の若年エントリーユーザー層を獲得。ジン市場全体を押し上げる要因の一つとなっている。
そこで養命酒製造では、7月、8月のジンの最需要期に向け、手軽に購入できる「税抜1000円未満」「500ml以下の小容量サイズ」に特化した国産クラフトジンを集積した「エントリー棚」の専用エンド展開やハンガー什器を今春から積極的に提案する。同カテゴリーの国産クラフトジンの売れ筋ナンバーワン商品「香の雫(かのしずく)」(300ml)を軸に、「税抜千円以下で楽しむクラフトジンの世界」のボードを作り、全国で人気の高まっている国産クラフトジンを一堂に並べた売り場づくりを推進。ジンのノンユーザー、ライトユーザーのトライアルを促すことが狙いだ。
その中でも「香の雫」は国産ハーブ「クロモジ」をベースに、信州・駒ヶ根の中央アルプスで磨かれた極軟水に、新緑の森をイメージしたボタニカルをブレンドして養命酒製造が19年に発売したものだ。爽やかなクロモジとジュニパーベリーや柑橘の瑞々しい香りが楽しめる飲みやすさから、ジンのライトユーザーを中心に圧倒的な支持を獲得。食品スーパーやGMSを中心に配荷店が増え、国産クラフトジンでの売り上げでもトップ3に入って成長を続けている。