「薬用養命酒」ユーザーを囲い込み同時購買を促す

 飴市場はテレワークや外出自粛の影響で、構成比の大きい菓子系の商品群を中心に売り上げが伸び悩んでいる。一方で医薬品、医薬部外品メーカーのブランド名を冠した高品質なのど飴はしっかりした味わいや、そのブランドイメージから堅調に推移してきた。

 その中でも人気を高めているのが、養命酒製造が長年研究してきた「クロモジ」エキスを配合し、2018年に発売した「養命酒製造クロモジのど飴」(まろやかな黒蜜×ハーブ風味)、19年に発売した「同生姜はちみつ」(すっきりした生姜とはちみつの風味)。直近の実績では21年10月、11月度も売り上げを伸ばしている。その理由は飴の商品群が50代前後の購入比率が高いのに対し、「養命酒製造クロモジのど飴」は70代前後のシニアの購入比率が高いからだ。他の商品と購入客層が異なることから、差別化商品の一つとなっている。また「養命酒製造クロモジのど飴」のバスケット分析では、併買率上位の4位に「薬用養命酒 1000ml」が入ることから、「薬用養命酒」の主要購入層である70代前後のシニアから効果を強く期待されていることも分かる(表① ※True Data社バスケット分析参考)。 

 そこで養命酒製造では、ドラッグストアなどにPOPや専用吊り下げハンガーなど様々な販促資材を用意。「薬用養命酒」の薬酒売り場のエンドなどで吊り下げやカゴを使って多箇所で陳列。営業担当者などがドラッグストアや調剤薬局の売り場を回って、同時購買を促している。実際に某大手ドラッグストアでは、ほぼ全店の定番売り場に配荷され、吊り下げでの展開も拡大中だ。養命酒製造営業企画部の相原健市グループリーダーは「『薬用養命酒』ユーザーに対しての売り場での囲い込み戦略を推し進めていきます」と力を込める。

 続いて相原グループリーダーは「のど飴を普段食べられている方は、70代前後の世代が多いことから、この世代の方に向けた商品群を厚くすることで飴の需要を喚起できるチャンスは大きい。そこでシニア層に向け、医薬品、医薬部外品メーカーののど飴商品を集めた専用売り場のコーナー化を提案しています」と飴売り場の強化策も語る。具体的な事例として今年2月中旬に開催された展示会「スーパーマーケット・トレードショー」では、他ののど飴の商品群と集積して陳列。年間で飴の需要を喚起する新たな売り場を提案している。

 

左から「養命酒製造クロモジのど飴」「同生姜はちみつ」
スーパーマーケット・トレードショーでは機能
性の高いのど飴の商品群を集積したコーナー化
を提案した

この記事の購読は有料購読会員に限定されています。
まだ会員登録がお済みでない方はこちらから登録ください。
有料購読申込

すでに会員の方はこちらから