ミートワン参画企業で新焼成ラインが稼働を開始

 双日グループの畜産関連事業を担う双日食料の商品力が高まっている。2018年に市販用の冷凍畜肉惣菜のNB商品「肉一番」シリーズで本格参入し、その後、大手量販店やコンビニのPB商品でも多数の品揃えを展開してきた。直近ではNBに加え、PBの受注件数が増加し、総取扱数量は前年比2倍以上伸びている。

 その中でもスライスした冷凍の肉と野菜、タレがセットされたミールキット「ミールキッチン」は、開封後フライパンですぐに調理できる点が高く評価され、既に大手スーパーのほか、食品卸、宅配、外食チェーンなどで広く取り扱われている。最近では食品強化に取り組むドラッグストアでの採用も増えてきた。

 この商品力を支えているのがグループ会社のミートワンだ。双日食料が70%超を出資するほか、ミート・コンパニオンなどの畜肉加工メーカー、大東港運や二葉、松岡冷蔵といった物流関連企業が参画して合計約30%出資。ミートワンは参画企業同士が競い合うことで、競争力の高い商品を開発・提供ができている。

 これまでも、ミートワンに参画している企業の工場を活用して加工品を製造していたが、新たな取り組みとして、今年7月にミートワン参画企業のミート・コンパニオンの福島工場に双日食料が新焼成ラインの稼働を開始した。双日食料とミート・コンパニオン共同で運営する新ラインは、炭火焼きと直火焼き商品の製造設備を完備。さらに、ガス置換包装に対応したトレシーラーや深絞り包装機に加え、ロータリー真空包装機などを導入。トップシールや個食パック、スタンドパウチなど多種多様な市販用冷凍食品だけでなく、ハンバーグや炭火焼カルビなどの業務用加熱加工品、チルド商品の製造も可能となった。

今年7月に稼働を開始したミート・コンパニオン福島工場の新焼成 ラインでは炭火焼きと直火焼きが可能だ

 また、ライン内部にはクリーンルームを設置。これまでは包装後に商品を加熱し2次殺菌を行っていたが、食感がパサパサになることなどが課題となっていた。クリーンルームを設置することで、焼成品を2次殺菌なしで商品化することが可能となり、解凍後に焼きたてのおいしさを実現できる。

 今回の新焼成ラインの特徴を生かし、肉一番シリーズのリニューアル、新商品の展開も実施していく。今後、炭火焼牛カルビ弁当などを展開するほか、「ローストビーフなども提案したい」(畜産加工品部担当者)考えだ。

福島工場で製造した「炭火焼カルビ丼」

双日グループを挙げて植物肉使用商品を開発

 福島工場の新焼成ラインでは、植物肉を使用した「NIKUVEGE(ニクベジ)」の製造も開始した。食品素材の製造加工や販売を手がけるユニテックフーズと、ユニテックフーズの子会社で双日が出資する植物肉事業等を手掛けるテイスタブルが共同で開発した業務用の商品で、既にニクベジは市販のハンバーグやミールキットなどの原料として採用されている。また、双日グループのロイヤルホールディングス(HD)が設立した機内食事業会社「双日ロイヤルインフライトケイタリング」の冷凍食品「旅ごはん」シリーズや外食チェーン「ロイヤルホスト」にも採用が拡大。双日グループ以外では、外国人向け高級スーパーや高級ホテル、レストランなどで導入する企業が徐々に増えている。

 双日食料がニクベジに注力するのは、代替肉市場の拡大がある。日本国内では年平均30%程度で成長し、30年には1700億円規模へ市場が拡大する見通し。また政府が温室効果ガスを30年に13年度比46%の削減を目標に掲げており、この動きに追随する企業が増加。温室効果ガス排出量が多い畜産物から植物肉といった代替肉へのシフトが、SDGsの観点からも大きく注目されている。

 そこで22年1月に双日、ユニテックフーズ、ロイヤルHDの3社で戦略的業務提携を行った。畜産加工品部担当者は「ニクベジは双日グループの製造・販売・マーケティング機能、テイスタブルの技術、ロイヤルHDのメニュー開発力という各社の強みを生かした商品。市販用への展開を広げます」と強調する。22年にはその取り組みが評価されてニクベジが食品産業技術功労賞を受賞。今後、ミートワンや双日グループが一体となって商品開発をさらに強化する構えだ。

 来年2月に開催されるSMTS2024の双日食料ブースでは、ロイヤルグループ企業と共同で出展。ロイヤルグループの高級冷凍食品「ロイヤルデリ」に加えて、福島工場製造商品、肉一番シリーズとニクベジを前面に打ち出す計画だ。商談スペースを昨年よりも増やし、「2月に具体的な商談を行い、3月には商品を導入できる」(畜産加工部担当者)とスピード感のある提案を行い、取引先のさらなる拡大を図る。

ロイヤルグループが展開するレストラン品質のフローズンミール「ロイヤルデリ」

 双日食料はミートワンの機能を生かし、肉一番シリーズの商品力強化と、持続可能な食を実現するニクベジシリーズの販売を拡大。安心、安全で競争力の高い畜産加工品を提供していく。

SMTSでは、「肉一番」シリーズと「NIKUVEGE」シリーズを前面に打ち出す(写真はSMTS2023でのブース)

出展ゾーン:生鮮
ブース番号:2-304