ハードとソフトで安全・安心な製造をサポート

 食品工場の洗浄機・洗浄剤のリーディングカンパニーであるクレオのサニテーション事業がPC(プロセスセンター)、CK(セントラルキッチン)化を進める小売業で存在感を高めている。クレオの強みは、衛生管理の徹底が不可欠なコンビニの食品製造工場で6割強に及ぶ洗浄機シェアと、その実績に裏打ちされた豊富なノウハウを持つことだ。

 直近の事例では、食品製造工場で人手をかけずにボタンを押すだけで、自動で発泡洗浄からすすぎまでを行う「タイマー付き自動洗浄システムCS-01」の導入が拡大している。洗浄したい場所に水や洗浄剤を通す配管とノズルを配置し装置と接続することで、「コンベヤ」「機械下の床面」「生産機器」など、手の届きにくい箇所の洗浄が効果的に行える。発泡、すすぎ時間をタイマーで設定でき、食品の生産終了後などのタイミングでボタンを押すと、自動で泡洗浄とすすぎを行うので、日々の洗浄作業を大幅に軽減できる。衛生レベルの向上と昨今の人手不足の双方に対応する自動化装置として注目を集める。

「特にコンベヤの裏面や、機械下の床面は目に見えにくいことから、洗浄がおざなりになりがちですが、そういった場所にこそ危険性が潜んでいます。消費期限延長、食品ロス削減といった流れがある中で、衛生意識の高い食品製造会社さんに必要性をご理解いただきました。衛生レベルを引き上げながら、人手不足に対応するご提案ができたと自負しております」(渡辺光也・取締役サニテーション事業本部長)

タイマー付き自動洗浄システムCS-01
渡辺光也・取締役サニテーション事業本部長

 さらにサニテーション事業で力を入れているのが清掃作業だ。施設内全ての箇所での洗浄の自動化は不可能なため、人手での洗浄が必要になる。そこで特に従業員が洗浄するのが大変な「空調」「天井」「ダクト」「生産機器」など大掛かりな清掃を、クレオが代わって実施している。クレオの清掃のポイントは清掃後の検証と、衛生維持提案。清掃実施後には浮遊菌検査、ふき取り検査など、専用機器を活用して清浄度を丁寧に検証する。綺麗な状態を確認した上で、清掃の年間スケジュールを組み、従業員が行う効率的な日常洗浄方法の提案まで行う。渡辺取締役は「綺麗に見える空調機器でも汚れが蓄積しており、空気中に菌をまき散らし、食品などに付着する可能性があります。また排気ダクトの清掃を怠ると異物混入や火災など重大な事故を招きかねません。当社ではサニテーション業務を通じて安全・安心な製造をサポートいたします」と定期的な清掃と検証の必要性を強調する。

 他にもサニテーションサポートの取り組みとしては、同社の洗浄剤を使用しているユーザーに対して定期的に無償点検の巡回サービスを実施。洗浄機の状態や洗浄評価で衛生周りの注意事項をまとめ、報告書として提出する。また、現場で作業する従業員を対象に、衛生レベルが低下するリスクや洗浄剤の使用方法などをテーマにした講習会や、衛生的な洗浄が定着するための洗浄マニュアル作成支援も行い、衛生に対しての知識、意識の底上げを図っている。

オリコン、買い物かご洗浄脱水機が配送センターで導入が広がる

 洗浄機、洗浄剤といったハード面だけでなく、洗浄を極めるサニテーション技術のソフト面からも衛生をサポートしている。

 同社の洗浄剤を使用していれば、定期的に無償チェックの巡回サービスを実施。洗浄機の状態確認や洗浄評価で衛生周りの注意事項をまとめ、報告書として毎回提出する。また現場で作業する従業員を対象に、衛生レベルが低下するリスクや洗浄剤の使用方法などをテーマにした衛生講習会を実施し、衛生に対しての知識・意識の底上げを図っている。

オリコン、買い物かご洗浄脱水機
洗浄機の無償点検

 洗浄機ではオリコンや買い物かごの衛生意識が高まり、コンパクトサイズの「オリコン、買い物かご洗浄脱水機」を導入する動きが出てきている。洗浄は外部委託するケースが多いが、人手不足や高齢化で廃業が増加。自社洗浄の導入が進む一因となっている。 

 同機器はもともと買い物かご専用だったが、中のアタッチメントを変更することで、オリコンも洗浄脱水ができるようになった。オリコンは150個程、買い物かごは300個程を1時間で洗浄脱水できる。渡辺取締役は「大規模な洗浄ラインは導入しにくいという配送センターが多い中で、1m角程のコンパクトサイズで場所を取らずに効率的に洗いたいというニーズは非常に強い」と導入先の広がりに期待を寄せている。

 さらに、最近導入が進んでいるのが「シッパー向け除菌剤噴霧装置」だ。生協の宅配後に配送センターに戻って来たシッパーが対象で、コンベヤ上を搬送しながら自動で除菌剤を噴霧する装置。除菌剤の効果で菌数を抑制し、消臭効果もあるため、顧客からの食品の臭いの指摘への対策としても効果的であるという。都市部の生協を中心に導入が広がっている。

 これらの洗浄機器・洗浄剤などを一堂に集めて確認できるのが、同社が出展する来年2月開催の「SMTS2024」だ。衛生をサポートするサニテーション事業についても実際に担当者から説明を受けることができる。渡辺取締役は「当社は洗浄機器・洗浄剤などのハード面、サニテーション技術を提供するソフト、全国サポート体制のメンテナンスの三位一体で食品工場全体の洗浄・衛生をトータルサポートします。小売業やメーカー、卸業など幅広い企業様の洗浄衛生全体の悩みを解決できる体制を全国に敷いています。ご来場いただき、洗浄の様々な悩みは洗浄のプロであるクレオにお任せください」と力を込めた。

出展ゾーン:設備・資材ゾーン
ブース番号:7-317