現場主義で徹底した衛生管理をサポート

 食品工場の洗浄機、洗浄剤のトップメーカー、クレオが企業のサニテーションへの提案に力を入れている。 クレオの強みは、徹底した衛生管理が必要なメーカー、コンビニなどの食品製造工場で約6割強のシェアを持っていることだ。これらの現場で長年培った衛生管理のノウハウをスーパーマーケット(以下SM)などの食品製造工場にも広げている。洗浄・衛生に特化したコンサルティング部隊が現場に入り込み、現状の調査、検証を行ったのちに、洗浄方法を最適なツールと合わせて提案する。さらに洗浄マニュアルの作成、衛生現場主義で徹底した衛生管理をサポート講習会を行い、従業員に衛生観念を浸透させていく。定期的に洗浄・衛生の定着度を確認し、課題を抽出するサイクルで食品製造現場の洗浄の悩みをトータル支援しているのだ。

  渡辺光也・取締役サニテーション事業本部長は「当社は洗浄機器・洗浄剤などのハード、サニテーション技術を提供するソフト、全国サポート体制のメンテナンスの三位一体で食品工場全体の洗浄・衛生をトータルサポートします。メーカーや小売業、卸売業など幅広い企業様の洗浄衛生全体の悩みを解決できる体制を全国に敷いています。洗浄の様々な困りごとはクレオに丸ごとおまかせください」と力を込める。

 その中でもサニテーション事本部は、近年注目を集めている食物アレルギーやHACCP、食品添加物などに特化したSMの食品衛生対策の全般を強化している。渕上高行・執行役員サニテーション事業本部事業推進部長は「食品添加物や食物アレルギーを気にされるお子様を持つ親御様も増えており、食品製造工場の衛生レベルを高めることは来店客数の増加に直結します」と強調する。

 実際にクレオはSMの食品加工工場・バックヤードの衛生状態について全国1260人の生活者を対象に調査を実施した。その結果、「弁当類」、「弁当・惣菜類」、「刺身・切り身」の順で全体の約52%が衛生状態を「気にしている」と回答するなど、「生食」「即食」を中心に食品衛生への関心が強かった。さらに、「家の近くのSMの惣菜食品の衛生管理を徹底している」ことが分かれば、「利用したい」と約55%が回答するなど、衛生管理の状態を店舗側から情報発信することも重要なカギとなる。

床、製造機器などの洗浄の効率化を図る「タイマー付き自動洗浄システム
スイッチを押すだけで洗浄、すすぎを自動で行い洗浄作業の大幅な軽減につながる

自動化を進め人手不足に対応する

 一方で衛生レベルの向上には作業方法論の構築と定着に、時間も人手もかかる。そこでクレオでは衛生コンサルティングも実施している。企業の中でモデル工場を設定し調査を行い、課題の抽出と改善指導を実施。その後参加メンバーが各工場に戻り、同じ視点で課題抽出、改善に向けて活動をしていく。年間4回ほどこの工程を行うことで、企業の工場全体の衛生レベルを向上させる。また、従業員で対応が難しい「生産機器」「天井」「空調」などはクレオが清掃を行うことも提案。生産機器はもちろん、天井、空調を清掃しないと製造室の浮遊菌が増加し、製品の菌数増加につながることから、クレオでは清掃後の検証と、定期清掃スケジュールをセットで提案。衛生的な製造環境の維持をサポートしている。

 これらの豊富な知識に基くサニテーションと合わせ、クレオの強みは最適な自社の洗浄機やシステムも同時に提案できることだ。「現場の衛生レベルを高めるだけでなく、自動化することで製造現場の課題である人手不足への対応にもなります」(渕上執行役員)。

 特に食品工場では手の届きにくい「機械下の床」や「生産機器」の清掃に時間と労力がかかり、昨今の人手不足で作業負担は増している状況だ。そこでクレオは「タイマー付き自動洗浄システム」を強く提案。機器の配置や汚れに応じてノズルを自由にレイアウトし、発泡、すすぎ時間をタイマーで設定する。食品の生産終了後などのタイミングでスイッチを押すと、自動で泡洗浄とすすぎを行うので、日々の洗浄作業を大幅に軽減できる。

 また、洗浄機や生産機の器具に残った菌が惣菜などに付着すると、初発菌数が増えることから、洗浄不足は消費期限にも大きく影響を与える。そこで洗浄機、洗浄剤の提案に合わせて、洗浄・すすぎの時間や温度、器具の最適なセッティングなどの運用マニュアルを作成。現場に定着するまでしっかりサポートをしている。

 クレオは6月6日から東京ビッグサイトで開催される食品機械メーカーが一堂に集まる「FOOMA JAPAN2023」に出展。「省人化」「食品ロス削減」「安全・安心」「CO2削減」をテーマに、多彩な衛生関連機器を展示。業界で圧倒的な導入数を誇る洗浄機器・洗浄剤に加え、サニテーション事業、メンテナンスの一体で食品工場の徹底した衛生管理を支え、衛生レベルを引き上げる取り組みを進めていく。

衛生講習会を通して従業員の衛生に関する知識、意識の向上を図る
渡辺光也・取締役サニテーション事業本部長
渕上高行・執行役員サニテーション事業本部事業推進部長