今できることから始め「PX」で社会構造を変える

 ——フィジカルAIで動くヒューマノイドは、これまでの産業用ロボットなどと比べて何が違うのでしょうか。

 磯部 まず、フィジカルAIによって、従来のように個々の動作を細かくプログラムする方法だけでなく、学習データや自然言語による指示を活用して、より柔軟にロボットを動かすことが可能になりつつあります。ただし、実際の自律動作にはタスクに応じた学習や設定が必要です。今後は、様々なデータを学習させることで活用できるシーンが圧倒的に増えていきます。従来の産業用ロボットや搬送設備は対象となる作業に合わせて専用の機構や制御を構築することが多く、作業内容が変わると設備の改修や再設定、場合によっては設備の入れ替えにコストがかかります。一方、ヒューマノイドは学習データやソフトウェアの更新によって、異なる作業へ対応範囲を広げられる可能性がある。まさに人のように、時間帯を変え、作業内容を変えて稼働してくれるデバイスだと考えています。工場や物流倉庫で搬送やピッキングを行うロボットはBtoBに限定されますが、ヒューマノイドはBtoBはもちろん、将来的には家庭用としてBtoCにも広がっていくでしょう。すでに様々なロボットメーカーが家庭環境で作業するためのデータを収集しています。多様なセグメントで使えるため、ヒューマノイドは社会インフラになり得るポテンシャルがあり、自動車のような基幹産業に成長する要素も十分にあると思っています。

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