基本に忠実な店づくりで出店を積み増す
「今の路面店の普通の出店の形で、5年間で1000店の純増は十分可能とわたしは思っている」。そう言い切るのは取締役執行役員の飯沼一丈リクルート本部長(冒頭写真)だ。自信の根拠は二つある。一つはドラッグストア、スーパーマーケットの出店は堅調を維持。一方コンビニエンスストアは確かにコロナ前約5万6800店あった総数は、現在500店ほど減少した。だがセブンイレブン・ジャパンはその間103%の伸長。過去1年たりとも純減がなく、昨年度も601店の出店で閉店は412、純増189店の実績を上げている。
なぜ純増が可能か。それは基本に忠実な店作りにある。飯沼取締役が言う「強みのデイリーの工場が時間距離にして3時間以内のところになければ出店しない」は、それを象徴する事例だろう。いち早く競合チェーンが47都道府県に出店を果たしたのが1997年。それに遅れること20年以上、セブンイレブンの全国展開は2019年のことだった。看板を掲げることよりも新鮮で美味しいものを届けることを優先した結果。だがそれが他チェーンと、主力商品のデイリーで7万円から8万円の売り上げの差を生んだ。後発で出店しても競合チェーンに押し潰されずに済む。あるいは逆に押し潰すケースも有り得る。