「令和のコメ騒動」コメの価格が元に戻ることはもうない
惣菜の価格戦略が、「パラダイムシフト」と言える変化を見せている。高級惣菜を扱う百貨店のテナントはもとより、コンビニ、惣菜チェーン、さらには「競合より1円でも安く」が金科玉条のスーパーでさえ、各社揃って「価値を高めて価格を上げる」と明言。「価格をいかに抑えるか」から「価格をいかに巧みに上げるか」に軸足を移す企業がもはや大勢を占める状況になっているのだ。
背景には言うまでもなく、終わりが見えず逃げ場もないコスト高の大波がある。資源高、天候不順、円安、人手不足、物流の24年問題などが同時に起きて、21年後半から原材料費、エネルギー費、包装・資材費、人件費、物流費のすべてが上昇しているのは周知の通り。しかも原材料一つ取っても、油、小麦粉、トウモロコシ、大豆、魚介類、畜産物などの輸入品から、野菜、豚肉、鶏卵、乳製品などの国産品まで軒並み高騰。小麦粉など一時期より下がっているものもあるが、20年比ではいずれも「高止まり」と言える水準のままだ。