大丸松坂屋百貨店は7月30日より、包材(ショッピングバッグ・包装紙)のデザインを一新する。大丸11店舗と松坂屋4店舗の計15店舗で配布を開始する。
新デザインの「百様図」は、大丸松坂屋百貨店が大切にしている「様々な個性を持って、それぞれの土地で、お客様に寄り添う商いをする」という価値観のもと、日本デザインセンター三澤デザイン研究所主宰の三澤遥氏(冒頭写真・右)が手掛けた。
紙の素材と、丸と四角の形、緑と青(ピーコック グリーンとロイヤルブルー)の色を幾重にも重ねたデザインで、丸と緑は大丸、四角と青は松坂屋のシンボルマークをオマージュしている。二つの屋号の歴史を今後も受け継いでいくという思いが込められている。
同月17日開催の記者発表会に登壇した、ブランディング戦略室長の寺井孝夫氏(冒頭写真・左)は、「大丸松坂屋百貨店が発足した2010年以降、コーポレートとしての見え方に配慮してこなかった」と説明。「小売り・百貨店業界の競合が激化する昨今、同質化・コモディティ化も進んでいる。改めて会社としての〝らしさ〟を表現していく必要があった」と語った。今後は、屋号の象徴としてウェブサイトをはじめ、様々な場所で「百様図」を使ったコミュニケーションを展開していく方針だ。
同社所属のJ.フロントリテイリングでは、2024〜26年度の中計を「変革期」と位置づけており、リテール深化・ シナジー進化を目標に各事業を推進している。今回の包材デザインもその取り組みの一つだ。大丸松坂屋百貨店の宗森耕二社長(冒頭写真・中央)は「今はコロナが明けて消費の変化が激しいとき。従業員の〝インナー(ブランディング)〟も含めて、我々らしさをしっかり確認して、次のステージに飛躍していく」と力を込めた。
なお、包材紙のデザイン刷新は大丸は35年ぶり、松坂屋は23年ぶりとなる。