10年後には20~30代となり、経済活動の主役へと躍り出る「Z世代」。本連載では、Z世代にホットなモノ・コトを取り上げ、展開する企業の戦略や、なぜZ世代に刺さっているのかを調査。見えづらいZ世代のニーズや生態を掘り起こすとともに、若年層の“ニュートレンド”が、今後の“ニュースタンダード”になり得る可能性を探る。今回のテーマはずばりゲーム・eスポーツだ。新市場の取り込みに積極的な動きを見せるJ.フロントリテイリングとグループ企業にフォーカス。前・中・後編にわたって、取り組みをレポートする。(前編中編はこちら)

eスポーツビジネスの収益モデルの変革も見据える

 大盛況のうちに幕を閉じた「Hype Up(ハイプアップ)」の初イベント。これを経て、パルコ、XENOZ(ゼノス)が次に見据えるものは何か。

「いつかハイプアップを、音楽フェスで言うフジロックやサマソニのように、eスポーツの象徴的なブランドとして世界にとどろかせたい」

 そんな野望を語るのは、パルコの宇都宮誠樹執行役員だ。今後もゼノス・スカーズと共に様々なeスポーツの企画を実施していく計画。今大会でライブや演劇の要素を取り込んだように、周辺のカルチャー・エンタメ事業者を巻き込み、要素を掛け合わせることで「取り組みの領域はもっと広げていける」(宇都宮執行役員)と意気込む。中長期的には、会社のポートフォリオに影響を与えるレベルにまでゲーム事業を成長させていきたい考えだ。

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