J.フロントリテイリングは1月6日、人材派遣子会社「ディンプル」の株式の一部を2月28日にワールドホールディングス(HD)に売却すると発表した。今回の売却で、ディンプル社はJフロントの連結から外れる。

 ディンプルはJフロントグループの百貨店「大丸」の関連会社として創業。全国の大丸・松坂屋店舗での接客接遇に関わる業務受託などに加え、外部企業への人材派遣や人材紹介、業務受託を中心に事業を展開している。近年は人材派遣業を取り巻く環境変化や競合激化などから、人材紹介事業の強化や外部企業からの業務受託拡大に取り組んできた。

 しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、百貨店との取引が減少。百貨店のビジネスモデル転換によりグループとしてのシナジーも低減していく見通しにあることから、人材サービス業に幅広いノウハウを有する他社傘下で営業基盤の拡大と顧客サービスのさらなる向上を図り、安定した事業基盤を構築していくことが最善であると判断。リテール・サービス分野で人材・教育事業の拡大を目指すワールドHDとディンプル株式売却の条件で合意した。株式売却後も、ディンプル社はJフロントグループの百貨店への人材派遣、業務受託などの取引関係を当面継続する予定だ。

 今回の株式売却で、2022年2月期の第4四半期連結業績で株式譲渡益を計上する見込み。この影響額については現時点では営業利益段階で35億円程度(概算)を見込んでいるが、21年10月12日に公表した22年2月期連結業績予想においてすでに影響を織り込んでいるとしている。

(冒頭写真はGINZA SIX)