インバウンド需要の消失をZ世代の若年層が補う
――年末は銀座でも外国人観光客を多く見るようになりました。インバウンドの回復をどのように見ていますか。
好本 いいと思いますよ。日本政府観光局によれば昨年10月の外国人観光客は50万人になったと言います。2019年10月で250万人でしたからまだ5分の1の戻りなんですが、我々の売り上げで半分近くまで来ています。店によっては18年、19年を超えたところもある。海外の方はかなり日本に来たかったんだと思います。実は昨日、夜の8時頃にGINZA SIX(ギンザシックス)の鰻屋さんで食事をしたんです。今までだったら夜の8時に行ったら閑古鳥が鳴いていた。ところが10席のテーブルは満席。3席が日本人で残り7席は外国の方でした。今お買い物していただける外国人は、中国はまだですが、韓国、台湾、香港がトップスリーですね。
――インバウンド消費は今後も順調に回復すると見ているんですね。
好本 今年早々には単月で100万人ぐらいになっているんじゃないですかね。30年に向けて、年間4000万人、5000万人と増える可能性もあるわけですよ。ですが、そうなった時の消費の中身はコロナ前と同じではない。今売れているのは、ラグジュアリーブランド、高級時計、化粧品ですけれど、これもリベンジ消費の一時的なもの、あるいは為替変動によるものかもしれない。13年、14年頃に始まったインバウンド消費は、我々急成長を追いかけるというよりただ対応するだけ、売れるものをきっちり売ることで必死でした。それがコロナでゼロになり考え直す機会を得たわけです。中国の方ばかり、東京と大阪だけで売ることでいいのか、売っている商品に偏りはないのかといった反省もあるわけです。