既存百貨店の現状はまさに八方ふさがり

 近年の百貨店業界は世界的に衰退の傾向にあるが、これにコロナ感染症拡大が加わり、国内大手百貨店の存亡に係る事態が進行、各社の首脳は焦りの色を濃くしている。大半の若年層からは買い物の場所として選択されず、中間所得層の流出には歯止めが掛からず、ネット通販の台頭による衣料品の不振、頼みのインバウンド需要もコロナ禍で蒸発、残された金城湯池は富裕層のみという状況に陥っている。

 大型ショッピングセンター(SC)やカテゴリーの専門大店(ユニクロ、無印良品、ニトリなど)の積極出店のあおりを受けた地方百貨店の店舗閉鎖は全国津々浦々で見られるようになって久しい。1999年には311店舗あった百貨店は21年3月には192店舗に減少、売上高もピークのバブル期(91年)には約9兆7000億円あったが漸減し、2020年には約4兆2200億円になった。

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